■甲子園を沸かせた超高校BIG3は!?

 2010年のドラフトでは、早大から斎藤佑樹(日ハム)、福井優也(広島)、大石達也(西武)の3人が1位指名された。今年、東洋大の“同一大学3人1位指名”の可能性も高い。

 3人衆といえば、今年のドラフトで野手の目玉となるのも、3人の高校生。甲子園を沸かせた“超高校級BIG3”の根尾昂、藤原恭大(ともに大阪桐蔭)、小園海斗(報徳学園)だ。この3人は「1位じゃないと絶対獲れない」(プロスカウト関係者)とまで言われる逸材。

 特に根尾は、今年度の野手で、圧倒的ナンバーワン評価。複数球団の競合必至といわれている。スカウト陣が舌を巻くのは、その野球センス。投手と遊撃手、そして外野手まで高いレベルでこなし、長打力のあるバッティングまで持ち合わせている。「ソフトバンクの王貞治会長も、根尾の高い身体能力を“野手になれば、すぐにトッププレーヤーになる”と絶賛。最速150キロをマークした投手としての能力も捨てがたいですが、プロでは野手専念が基本線となりそうです」(前出のスポーツ紙記者)

 しかし、その一方、根尾を野手だけにとどめておくのはもったいないという声も上がっている。持木編集長も、大谷翔平以来の“二刀流挑戦”に期待を寄せる。「大谷のような160キロとはいかないまでも、150キロは投げるわけですし、高校生レベルとは思えない投球術も持っている。バランス感覚が優れた選手ですから、個人的にはぜひ二刀流を追求してほしいですね」 根尾のずば抜けた才能を持ってすれば、投手・打者・野手の“三刀流”すら見られるかもしれない。

 大阪桐蔭のもう一人の逸材・藤原は、豪快なバッティングが持ち味の外野手。今年夏の甲子園では、3本のホームランを左中右と、すべて別方向に叩き込んだ。「長打力はもちろん魅力ですが、守備と走塁も、すぐにプロで通用するレベル。50メートル5.7秒の俊足で、しかも強肩なので、守備範囲が広い。かなり高い水準で走攻守そろっている選手ですから、トリプルスリーも狙えそうですね」(プロスカウト)

 そして同様に、俊足・強肩・好打と三拍子そろった大器と評判なのが小園だ。高校日本代表では、あの根尾を押しのけてショートのレギュラーをつかんでいる。「守備は超一流で、高校生とは思えないほど。ショートの守りだけなら根尾よりも上でしょう。広角に打ち分けるバッティングも絶品です」(前同)

 打って守れる遊撃手は、プロでも貴重な存在。BIG3の中では、最もプロの1軍に近いようだ。「小園の評価は、すぐにでも1番・ショートを任せられる即戦力。スカウトの間では“立浪二世”なんて呼ばれていますよ」(同)

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