松坂慶子
松坂慶子

 10月1日の放送開始以来、快進撃を続けるNHKの朝ドラ『まんぷく』。20日に放送された第18回で、主人公の福子(安藤サクラ/32)と萬平(長谷川博己/41)が晴れて結婚。第1回での“出会い”から、3週にわたって描かれてきた2人の恋愛模様が一段落したことになる。

 そんな序盤の3週間で、大きな存在感を示したのが福子の母親・鈴役を演じた松坂慶子(66)だ。

「私は武士の娘です」が口ぐせで、自分が夫のせいで苦労した分、「福子の結婚相手は自分が決める」と宣言。勤め人ではない萬平との交際は頑として認めず、お見合いでいい人を探そうとする、“頑固なおっかさん”キャラだ。

「2人の姉とその夫たちが福子を応援する中、母の鈴は“一人抵抗勢力”として立ちはだかる。もちろん、母親まで物分かりが良すぎると、ドラマとして成り立ちません。物語的に2人が結ばれるのも視聴者は知っていますから、いかにこんな母親を説得していくのか、というのが見どころになる。その点、見ごたえのある攻防が繰り広げられましたね」(テレビ誌ライター)

 母の鈴は自分のポリシーしか認めない強情な人物だが、けっして福子にとって怖い存在ではない。むしろ作品では、3姉妹が慕っている最愛の母親として描かれ、松坂もかわいらしく、ユーモラスに演じている。

「鈴は、ともすると憎々しくなってしまいかねないキャラですが、演じる松坂がとてもチャーミングなんですね。特に、泣いたり怒ったり困ったりという喜怒哀楽の“顔芸”が抜群で、松坂の表情のどアップは、『まんぷく』名物とも言えます。大女優に失礼ですが、決め顔が面白すぎる。毎日、爆笑しています!」(前同)

 確かに、松坂の顔芸は、作品の要所で使われている。

 たとえば、19日放送の第17回。罪を着せられ、憲兵に捕まっていた萬平が釈放されて、福子は毎日のように弁当を作って、萬平のもとに通う。そんな福子に、萬平は「お母さんは大丈夫なんですか」と質問。福子は「もう、お母さんは許してくれてますから」と答える。

 しかし、その次の瞬間、場面は変わり「許してるわけないやないの!」と、険しい顔をした松坂のアップが画面に映し出されたのだ。

 さらには、第18回、萬平が正式に鈴に結婚の許しをもらうシーン。“反対されても賛成してくれるまであきらめない”という2人の固い決意を知った鈴は、「こんなことになるなんて……」と言いつつも、ついに「気持ちよく認めてあげるわ」と結婚を承諾。

 しかし、言葉とは裏腹に表情は険しいまま。「そしたら、そんな怖い顔しないでよ」と福子にツッコまれると、今度は急に満面の笑顔を見せる。さらに、その直後には悲しそうな泣き顔を見せ、「うれし泣きよ」とけむに巻く。まさに喜怒哀楽のオンパレードで、松坂の顔芸の真骨頂ともいえるシーンとなっていた。

 この活躍に『まんぷく』視聴者もすぐに反応。ネットでは<松坂慶子さんの顔芸絶品やな~>、<松坂慶子さん顔芸までw もう日本を代表する立派なコメディエンヌやね>など、絶賛の声が飛んでいた。

「松坂といえば、そもそもは15歳の頃から美少女として脚光を浴びていた存在。大人となり、本格女優として開花した後は、体当たりのベッドシーンも辞さず、セクシーな衣装で歌番組に出演したこともありました。それが近年は、ふくよかな体型が似合うお母さん役として大活躍。今年の大河ドラマ西郷どん』(NHK)でも、主人公・西郷吉之助の母を演じていて、すっかり母親役がハマる女優となりました。今や、日本のお母さんのイメージを背負っている人物と言っても、過言ではありませんよね」(芸能記者)

 昭和を代表する美人女優として名を馳せた、往年の松坂慶子を知るオールドファンには複雑な心境かもしれないが、まだまだ存在感を発揮し続ける名女優であるのは間違いない。

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