■死刑囚役は上沼恵美子をイメージして熱演

――何をおっしゃるんですか(笑)! 烏丸さんが演じられたのは野口今日子という死刑囚ですね。

烏丸 おしゃべり好きな関西のおばさん。とにかく立て板に水のごとくしゃべるんだよね。私、生まれが関西圏でね。

――滋賀県ですよね。

烏丸 そう。だから、アクセントは良いんですよ。でも関西のどこの出身という細かい設定が無く、佐向監督からも「自由にどうぞ」って言われ、大阪でもないし尼崎でもないしいろんな所がごちゃ混ぜになった感じになりました。イメージしてみたのは上沼恵美子さん。ただ、関西の人が観たら「どこの人や」って思うんじゃないかな(笑)。

――ご自身の雰囲気に近い感じで演じられたのかなって思いましたよ。

烏丸 試写で観てくれた笑福亭鶴瓶さんには「お前、全然、地やんけ」って言われました(笑)。

――ずっとしゃべらなきゃいけない、というのはさぞ大変だったでしょうね。

烏丸 ワンシーン、ワンカットの長回しだったけど、舞台経験もなかったし、最初はメチャ緊張してね。ずっとしゃべっていたら頭の中が真っ白になったことが3回くらいあったかな(笑)。

■クラリオンガールがデビューのきっかけ

――話は変わりますが、烏丸さんって6代目のクラリオンガールに選ばれたのが、デビューのきっかけでしたね。

烏丸 元々、役者志望でNHKの朝ドラのオーディションを、毎年受けていたんですよ。で、最終までは必ず残るんだけど、決定には至らなかったんだよね。そのとき、「今の時代はモデルやイメージガールから役者になるというパターンもあるから、クラリオンを受けてみないか」ってマネージャーから言われて。だから、私としては冗談のつもりで受けたのよ(笑)。でもね、周りはみんなモデルさんばっかりで、「背の小っちゃい私なんか無理」って思っていたの。そうしたら受かってね。後で聞いたんですけど、当時のクラリオンの社長が大分気に入ってくれていたみたいなんですよ。

――クラリオンガールっていったら、初代のアグネス・ラムさんを筆頭にグラビアタレント界のレジェンドばかりですよね。

烏丸 ラムさんみたいなボンキュッパって体型が基本で、それからすると私なんか異例でしょ。でも、バストがあったから選ばれたのかな(笑)。あ、でも蓮舫さん(第14代)もいるか。そういう意味では彼女も異例だよね(笑)。私なんかオーディションで「これを足掛かりにして役者になる」って言っていたりしたけど、今思えば、よくそんなこと言えたわねって思うよね(笑)。あのときは、落ちるんだろうと思ってたから、勢いでそんなこと言っちゃったんだろうね。でも、それが結果的に、面白い子だなと受け取ってもらえたんじゃないかな。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4