ビートたけし(北野武)
ビートたけし(北野武)

 縦横無尽のギャグと鋭い風刺で、テレビを席巻し続けるビートたけし。彼の最大の武器は、本質をスバリついたコトバだろう。これまで、たけしが世に放ってきた珠玉の金言をフラッシュバック!

「遊ぶのも一生懸命遊ばなきゃおもしろくねーだろ」
(『我が愛と青春のたけし軍団』双葉社)

 たけしは、何に対しても一生懸命だ。仕事はもちろん、遊びに対しても。とことん本気で遊ぶ。そこに手抜きは一切なし。何ごとに対しても中途半端が大嫌いという。

 かつて、たけしと軍団が週に何本ものレギュラー番組を抱えていた頃、超多忙な毎日でもたけしと軍団は寝る間も惜しむように朝まで遊んだという。徹夜で飲んで、そのまま草野球の試合。普通ならば、少しぐらい手抜きの試合になりそうなものだが、たけしはそれを許さない。やるからにはとことん本気でやるのがたけしのポリシーだからだ。

 ある日、早朝試合の開始時間にガダルカナル・タカが遅刻した。その日、いつも乗っていたバイクが故障したタカは大慌てで神宮の草野球場に向かったが試合開始時間に間に合わなかった。「すいません」と謝るタカに向かって、たけしは怒って言った。

「グラウンド回って来い!」

 たかが草野球の試合に、ほんの少し遅れただけだ。それでも、たけしは許さなかった。試合に遅れるということは、たけしに言わせれば“本気でやっていない”ということだからだ。

「草野球だからまあいいや」

 そんな中途半端な気持ちだから遅刻する。タカの心の片隅にある“しょせんは遊びだから”という軽い気持ちをたけしは見逃さない。結局その日タカはグラウンドの周りを何周も走らされた。

 たけしは言う。

「一生懸命やるってことは努力しなきゃいけないってことなんだよ」

 中途半端からは何も生まれない。精一杯努力して最後までやりきってこそ、生まれてくるものがある。それは仕事にかかわらず、遊びだって同じだ。いや、遊びだからこそ、手を抜くようなヤツは何ごとも努力できない。一生懸命やることは努力することなのだ。そして一生懸命になればなるほど、仕事も遊びも人生もおもしろいものになるのだろう。

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