広瀬すず
広瀬すず

 広瀬すず(20)が主演を務める、2019年前期のNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』。記念すべき100作目ということもあり、現在放送中の『まんぷく』より前にヒロインを発表するなど、局が寄せる期待も大きい。成功すれば、女優としてのステップアップは確約されたようなものだ。しかし、近年の朝ドラヒロイン出身者のその後を辿ってみると、明暗がくっきり。果たして広瀬はどちらに転ぶのか……。

 まずは、2015年前期『まれ』の土屋太鳳(23)。オーディションで約2,000人の中からヒロインの座をつかみ取るも、視聴率は苦戦を強いられ、作品自体の評価もいまいち。役所勤めをしてみたり、パティシエ修行をしてみたり、塗師屋のおかみを目指してみたりとブレブレのヒロインの希(まれ)に引っ張られ、土屋自身にもマイナスな印象がついたことは否めない。

 その後、いわゆる“スイーツ映画”のヒロインとして立て続けに出演したことも火に油を注ぎ、ネット上で「また土屋か」「イメージと違う」とバッシングを受ける結果につながった。16年に福士蒼汰(25)と共演した『お迎えデス。』(日本テレビ系)、最近では今夏クールに主演した『チアダン』(TBS系)も、視聴率はぱっとせず。

 現在はTBS日曜劇場『下町ロケット』に主演の阿部寛(54)の娘役として出演中だが、前作と比べ視聴率は苦戦している。CMや映画なども含めて露出は豊富ながら、いまいち結果を残せていないのが現状だ。

 もともとは下積み時代に出演したドラマ『鈴木先生』(11年、テレビ東京)でのミステリアスな演技で注目を浴びた土屋。今後は元気印のヒロインにこだわらず、役の幅を広げることが求められそうだ。

 一方、2015年後期『あさが来た』の波瑠(27)は、“新視聴率クイーン”とささやかれるほど好調だ。『あさが来た』は、全回平均で23.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と朝ドラの今世紀最高視聴率をマーク。直後に出演した大野智(37)と共演のラブコメ『世界一難しい恋』(日本テレビ系)でも、平均12.9%と高視聴率を獲得した。

 さらに、17年に主演した『あなたのことはそれほど』(TBS系)では、朝ドラヒロインのイメージを覆す奔放な不倫女性を演じて話題を呼び、最終回は14.8%を記録した。

 その後も出演作は途切れることなく、今年に至っては『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)、『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)、『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)と、局をまたいで3クール連続のドラマ出演を果たしている。

 清楚で上品な見た目に反し、悪女からコメディ路線まで幅広い役柄にチャレンジしている彼女。その制約のなさこそ、オファーが絶えない理由なのかもしれない。

 土屋、波瑠の後には、2016年の高畑充希(26/『とと姉ちゃん』)、芳根京子(21/『べっぴんさん』)、2017年の有村架純(25/『ひよっこ』)、葵わかな(20/『わろてんか』)、2018年の永野芽郁(19/『半分、青い。』)、安藤サクラ(32/『まんぷく』)と続く。

 朝ドラ卒業後も順調に活躍の場を広げている彼女たちの中で、特に心配されるのは、賛否両論を巻き起こした『半青』ヒロイン永野芽郁の今後だ。

 作品自体の評価や役柄のイメージが主演のキャリアにも影響を及ぼしかねないことは、土屋と波瑠の例を見ても明らかである。『半青』は話題性も高く、視聴率は悪くなかったが、SNS上では主人公の鈴愛(すずめ)のキャラクターが「うるさい」「イライラする」との声も多く上がっており、役の印象から早めに脱却することが飛躍のカギになる。

 朝ドラヒロインを務めたからといって、必ずしもその後が順風満帆とは限らない。10代のころから多方面で活躍し、若手ながらすでに風格さえ漂わせている広瀬だが、“高視聴率必須”となる『なつぞら』の出来が今後のキャリアを左右することになるかもしれない。

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