松村邦洋
松村邦洋

 小学生ですでに見ていたとあって、話しだしたら止まらない! 偏見と“大河愛”あふれた選考は爆笑必至!

 いよいよNHK大河ドラマ西郷どん』も佳境に入り、歴史好きのお父サン族にとっては毎週、目が離せない展開になってきた。1963年放送の『花の生涯』以来、『西郷どん』まで57作品を送り出してきた人気シリーズだが、「僕は、大河を通して“人生”を学んできました」 こう熱く語るのは、お笑いタレントの松村邦洋氏だ。

 大胆なモノマネの他、伝説のバラエティ番組『進め!電波少年』で“アポなし取材”で名をはせた元祖・体当たり芸人。そんなキャラからは想像がつかない人もいるだろうが、松村氏はNHK大河の大ファンでもあるのだ。

「初めて大河を見たのは、1976年放送の『風と雲と虹と』でしたね。僕がまだ小学3年生のときかな。うちのおじいちゃんが大河好きでね。なんとなく見始めたのがキッカケ。それ以降、大河は毎年、見ていますので、ファン歴はかれこれ43年になります」

 そこで今回、本誌は“大河の大家”松村氏に『本当に面白いNHK大河ベスト10』を選出してもらった!

「順位を決めるのは非常に難しいんですけどね。それでも1位を決めるなら、僕に人生を教えてくれた『草燃える』(1979年)でしょうか」(以下、松村氏)

 源氏三代による鎌倉幕府の樹立を描いたドラマで、前半は源頼朝、後半は北条政子がメインだった。「正義が悪を倒すという時代劇特有のストーリーと違って、まさに魑魅魍魎の世界なんですね。東国武士団に担がれた源頼朝が平家を潰して鎌倉幕府を作った。ところが源氏の政権になるや内紛が起こり、政子の実家の北条氏が頭角を現す。平家という敵がいなくなった瞬間、権力争いのトーナメントが始まる。これぞ、人間の業」

 当時、小学生だった松村氏はそばで見ていた祖父に、「誰が悪いヤツなの?」と尋ねたことがあった。すると祖父は、「勝ったほうが負けたほうを裁くんだよ。いつの世も力のある者が正義なんだ」 こう答えたという。勝てば官軍、負ければ賊軍。「子どもながら、その言葉に“世の常”を感じたんですね。力が正義……いい意味で、僕に開き直った生き方を教えてくれました」

 お笑いタレントも、何をしようとウケれば勝ち。まさに松村氏の“お笑い道”そのものだ。

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