■堺雅人主演の『真田丸』は大河ドラマに新風

 4位は12年に放送された『平清盛』となった。「これは古き良き大河ですね。大河の素晴らしさは、あらゆる角度から歴史を知れること。どうしても日本人は、源氏が正義で、平家は悪者といったイメージを持っていますよね。でも、平家だって日宋貿易を仕切って、神戸に港を作ったり、貨幣を根づかせたりと“日本のため”にいろいろやっているんです」

 また、平家視点で源氏を見ると違った印象を抱く。「平家は“家”を大事にするけど、源氏って実はけっこう兄弟仲が悪いんですよね。つまり、平家から見れば源氏って、今の若貴みたいなものです」

 そもそも“敗者”の平家を取り上げることは、国民から受信料をいただいているNHKの義務でもあるという。「受信料は全国民から取っているわけですから、その中には先祖が平家の方もいるはず。それなのに源氏ばかりを取り上げていては、不公平ですからね。ときには、平家の人の目線で楽しめるような大河を作るのは当たり前ですね(笑)」

 5位は大河に新風を巻き起こした『真田丸』(16年)。「いい意味で、脚本家の三谷幸喜さんが従来の大河を壊してくれましたね。あれは大河ファンの三谷さんだからこそ成せた演出で、あそこまで型破りな真田幸村を作った功績はでかい」

 確かに『真田丸』はコミカルな演出で話題になった。「幸村の父・真田昌幸が“浅間山が噴火でもしない限り、武田は安泰じゃ”と言った矢先、浅間山が噴火してしまうとかね(笑)。一つ一つに“笑いの要素”があって、実に面白かったです」

 6位は鎌倉幕府の衰退、そして足利尊氏の室町幕府発足までを描いた『太平記』(91年)だ。「個人的には片岡鶴太郎さんが素晴らしかった。当時、鶴太郎さんはモノマネから役者中心になられたばかり。そんな鶴太郎さんが十五代執権の北条高時を演じたんですけど、なんとも言えない情けない執権で、味があるんですよね~(笑)」

 7位は戦国時代・中国地方の覇者となった『毛利元就』(97年)となった。「僕は地元が山口県で、先祖は大内家の足軽でした。ただ、陶晴賢に大内家は滅ぼされるんですが、その戦の最中に逃げたらしいんです(笑)。それもあって、この作品の戦シーンを見るたび、“うちの先祖もこの辺にいたのかなぁ”と感慨深い気持ちになるんですよね」

 NHK大河で、地方の武将をフィーチャーしたこともポイントが高いという。「同じ中国地方の尼子家を取り上げた大河も見たいし、戦国好きとしては島津家で1本やってほしいですよね。九州といえば今の『西郷どん』や『篤姫』があるけど、戦国時代の島津も絶対、面白いと思うんですよね~」

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