安藤サクラ
安藤サクラ

 連続テレビ小説まんぷく』(NHK)が、じわじわと注目度を高めている。視聴率がずっと20%オーバー(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と好調なのだが、とにかくネットニュースによく取り上げられていて、安藤サクラ(32)が演じるヒロインの福子や、長谷川博己(41)が熱演している萬平の名前をネット上で見ない日はないほどだ。今後の見どころを考えるために、まずは10月27日の放送を振り返ってみよう。

 萬平の腹膜炎が治り、一同はひと安心。萬平は三途の川の向こうに渡り掛けたとき、鈴(松坂慶子/66)に引き止められたのだと福子に語る。その後、入隊の日を迎えるが萬平は体調不良を理由に、入隊を拒否される。気を落としていた萬平を散歩に連れだす福子。そこに米軍の飛行機が飛んで来て、機銃掃射をするという事件が起こる。萬平はあらためて自分の力のなさを嘆くのだった。

 この放送でも、萬平を演じる長谷川博己の演技が光っていた。「情けない、チクチョー」と叫んで福子と鈴に謝り、自分が戦争に行けなかったことを悔やむシーンは朝ドラというより、もはや大河ドラマのような重厚さだ。さらに福子は「萬平さんには生きていてほしい」と涙を流し、視聴者の涙を誘った。

 すでに名シーンを連発している『まんぷく』だが、この放送のラストも将来、“総集編”に絶対、入れてほしい名場面だった。SNS上でも「朝からハセヒロと安藤サクラの演技力で泣いてしまった……」「サクラさん、長谷川さん、松坂さんの全力投球の芝居が素晴らしい」と絶賛の声が相次いでいる。

■松坂慶子・鈴のセリフも流行語に!?

 SNSでは長谷川博己が演じる萬平へのコメントが、ことさら目につく。10月23日の放送では、萬平のマッサージをしていた福子を「おいで」と抱き寄せるシーンでは、胸をキュンキュンさせる人が大量発生。「おいで砲」と話題になった。そう、このドラマはもはや、一つのセリフだけでニュースになってしまうのだ。

 また、福子が驚いたときに言う「エーッ」や、鈴の「私は武士の娘です」という言葉は意識的に連発されていて、これまでもSNSで話題になってきた。近年、朝ドラは2013年上半期『あまちゃん』の「じぇじぇじぇ」、2015年下半期『あさが来た』の「びっくりぽんや」など、流行語を生んでいるが、そのどれもがヒットしているのだ。街を行く人の誰もが口にするような流行語を作ることができれば、『まんぷく』も朝ドラ史上に残る大傑作となるはずだ。

 ちなみに過去の朝ドラ流行語はヒロインの口ぐせだったが、『まんぷく』においては萬平や鈴たちから流行語が生まれる可能性も高い。『まんぷく』の全演技、セリフから目が離せない!(朝ドラ批評家・半澤則吉)

朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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