『下町ロケット』視聴率急上昇を支える驚きの手法の画像
※画像はTBS『下町ロケット』番組公式サイトより

 TBSの日曜劇場『下町ロケット』が、第3話の放送で再び注目をあびている。今シリーズ最高の14.7%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)という視聴率をマークしたのだ。前回の放送では12%台まで落ち込んでいたのだが、どうしていきなり回復したのだろう。10月28日、第3話の放送を振り返って考えてみよう。

 15億円もの支援を表明し「ギアゴースト」の買収を進めていた、佃航平(阿部寛/54)が社長を務める「佃製作所」。ロケット事業にも成功し順風満帆に思えたが、「帝国重工」は負債を抱える「ギアゴースト」を買収しようとすることをよく思わず、信用調査を実施すると宣言した。これを聞いたギアゴーストの社長、伊丹(尾上菊之助/41)は、自社利益を最優先するやり方でのし上がった「帝国重工」の社長候補、的場(神田正輝/67)の恐ろしさを佃に伝える。その後、佃たちは殿村(立川談春/52)の実家で伊丹や島津(イモトアヤコ/32)と一緒に田植えをすることになり、そこで佃たちはトランスミッションの大切さと、農業の尊さを身をもって知るのだった。そして、運命の信用調査の日、帝国重工の審査部信用管理課の安本(古坂大魔王/45)がやってきて……という展開だった。

 この放送回で見事な演技を見せたのは、帝国重工の審査部社員を演じた古坂大魔王だ。本業はお笑い芸人である彼が見せた俳優としての演技に、SNS上では「この役ハマりすぎやろ」という賞賛の声があがっていた。最後には佃の熱に屈するという姿もまた心地よく、これぞ『下町ロケット』という展開だった。これまでの放送では佃製作所とギアゴーストの関係性を描くシーンが多く、帝国重工と佃製作所の対決はクローズアップされなかった。しかし視聴者が本当に見たいのは、第3話のように佃製作所が追い込まれる姿なのではないだろうか。

■再び年間最高視聴率を記録するか!?

 というのも2015年、最終回の平均視聴率が22.3%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)と大ヒットした1stシリーズでは、巨大企業の帝国重工と中小企業の町工場の戦いこそが、最大の見どころだったのだ。それも単純な敵味方の関係ではなく、お互いに深いドラマがあった。そして佃らが熱い思いで窮地を乗り越えていくというストーリーが、多くの働く男たちの共感を呼び、ヒットにつながったのだ。

 そう考えると第3話にして初めて、ヒットのフォーマットに戻った展開だったといえる。やはり、視聴者が見たいのは追い込まれながらも、最後は大逆転する佃製作所の姿だ。次回の第4話では佃製作所がさらに追い込まれるようで、いよいよ物語は面白くなるはずだ。2015年の放送でもじわじわと評価を高めていった『下町ロケット』。高視聴率をたたき出したパターンの復活で、これからがいよいよ本領発揮となりそうだ。(ドラマライター・半澤則吉)

※画像はTBS『下町ロケット』番組公式サイトより

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