NHK紅白歌合戦も迫る!「ニッポンの演歌」ランキングBEST100の画像
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 肌寒くなってきて、演歌が染みるこの季節。数多くある楽曲の中で、はたして“トップ・オブ・ザ演歌”とは、どの曲なのか。本誌編集部内に立ち上げた「演歌ベスト100選定委員会」が、レコード(CD)売り上げ、これまで本誌で行った読者アンケート、関係者の意見などを基に、歴代の演歌の中から100曲をセレクトした。日本人の魂を揺さぶる神曲の数々を、ランキング形式で一挙に紹介しよう!

 選定委員の中で揉めに揉めた末、栄えある1位に輝いたのは、石川さゆりの『津軽海峡・冬景色』(作詞:阿久悠/作曲・編曲:三木たかし)だ。1977年(昭和52年)、この曲の発売時点で石川さゆりはまだ18歳だった。「彼女はそれ以来、還暦を迎えた今に至るまで、この曲を大切に歌い続けています。この10年間は、NHK紅白歌合戦で、もう一つの名曲『天城越え』と1年おきに歌われていることで、平成世代の認知度も高い」(スポーツ紙記者)

 時は流れ、青函連絡船は姿を消し、上野発青森行きの夜行列車も全廃された。歌詞に描かれた風景が遠い過去のものになってしまったことで、この曲は、より深く日本人の心に染みるようになったことだろう。

 続く2位は、79年(昭和54年)にヒットした八代亜紀の『舟唄』(作詞:阿久悠/作曲:浜圭介/編曲:竜崎孝路)だ。『駅 STATION』(81年)という映画に、こんな名シーンがある。主演の高倉健が、大晦日の夜に倍賞千恵子が経営する北国の小さな酒場を訪ねる。外は雪。夜は更けていき、いい仲になりかけている2人は寄り添って、店の小さなテレビでNHK紅白を見ている。そこで流れるのが、『舟唄』なのだ。これ以上の選曲はないと言える。

 一方で、この曲は時代を超えて人々の心に訴えかける力を持ってもいる。「八代は2016年の大規模音楽イベント『フジロック』に招かれ、『舟唄』を熱唱。若いファンの心をつかみました」(音楽誌記者)

 哀切の“古賀メロディ”、美空ひばりの『悲しい酒』(作詞:石本美由起/作曲:古賀政男/編曲:佐伯亮)は3位となった。「その桁違いの歌唱力を実感できる最高傑作です。カラオケで歌ってみれば分かりますが、大変に難しい曲です。ひばりさんだからこそ、歌いこなせるんです」(レコード会社関係者)

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