■北島三郎の『函館の女』はカラオケで爽快に歌える

 65年(昭和40年)に発売された北島三郎最大のヒット曲『函館の女』(作詞:星野哲郎/作曲・編曲:島津伸男)が4位。サブちゃんらしい明るい演歌の決定版で、カラオケで爽快に歌うことができる。

 続く5位は森進一『襟裳岬』(作詞:岡本おさみ/作曲:吉田拓郎/編曲:馬飼野俊一)。北海道の遅い春の穏やかな情景が目に浮かぶ、フォーク調の曲だ。「吉田拓郎との異色コラボは、周囲から否定的な声もあったといわれます。しかし結果的に、74年(昭和49年)のレコード大賞、歌謡大賞をダブル受賞するなど、大成功でした」(前出のスポーツ紙記者)

 75年(昭和50年)の末に発売され、翌年のレコード大賞を受賞した都はるみの『北の宿から』(作詞:阿久悠/作曲:小林亜星/編曲:竹村次郎)が6位。いじらしい女を描いた歌を、当時、27歳の都が、“はるみ節”と呼ばれる、唸るような唱法で歌った。

 松山まさる、一条英一、三谷謙……。過去に3つの芸名を名乗るも売れなかった歌手が、71年(昭和46年)、新たに“五木ひろし”と名乗って発売した勝負曲が7位だ。『よこはま・たそがれ』(作詞:山口洋子/作曲・編曲:平尾昌晃)である。「五木ひろしは、『契り』や『山河』など、紅白のトリに似合う大作演歌も得意ですが、『よこはま~』のような軽快な演歌こそ十八番と言えます」(前出の音楽誌記者)

 美空ひばりの楽曲がもう1曲、ベスト10入り。『川の流れのように』(作詞:秋元康/作曲:見岳章/編曲:竜崎孝路)が8位だ。この曲の発売は89年1月11日。つまり、元号が昭和から平成に変わった直後のこと。そして、歌謡界の女王は、その約半年後に帰らぬ人に。結果的に、この曲が生前のラストシングルとなった。「まるでラスト曲として、あらかじめ想定されたような内容で、演歌の枠を超えたスケール感がある」(前出の音楽誌記者)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4