瑛太
瑛太

 明治維新150周年ということもあり、注目を浴びてきた大河ドラマ西郷どん』(NKH)も、いよいよ佳境となってきた。先週は、後半戦で最大の見せ場といえる西郷隆盛鈴木亮平/35)と大久保利通(瑛太/35)の対立が深まり、今後の展開がいよいよ楽しみになってきた。まずは、11月11日の放送を振り返ってみよう。

 西郷隆盛のもとに、海外視察中の大久保利通から手紙が届く。そこには海外視察を延長するという旨がしたためられていた。一方、隆盛は留守政府を任され、江藤新平(迫田孝也/41)らと改革を進めていた。しかし、相変わらず新政府には不穏な空気が流れ、井上馨(忍成修吾/37)の不正も明らかになる。西郷はこれに屈せず、その後も地租改正などの政策を実行していった。そこに1年半ぶりに大久保が帰国し、欧米列強が持つ文明のすさまじさについて熱く語る。その後、朝鮮との外交問題が発生し、隆盛が朝鮮に派遣されるということがほぼ決定したのだが、これに真っ向から反論したのが大久保だった……。

『両雄激突』というタイトルの通り、西郷隆盛と大久保利通がぶつかり合う、重要な回だった。なんといってもここに来て一気に悪役らしくなってきた、大久保利通の存在感がすごい。SNS上でも「瑛太さんの目力がすごい」「瑛太さんの大久保利通への寄せ方が素晴らしい」など、賞賛の声が寄せられていた。

 瑛太といえば、映画やドラマシリーズ化された『まほろ駅前』(テレビ東京系)での、頼りないけど憎めないお兄ちゃんというイメージが強いが、近年はどちらかというと陰を持つ役柄が急増中だ。今年公開の主演映画『友罪』ではかつて全国を震撼させた元殺人犯という役どころで、ショッキングな設定とともに瑛太のダークな演技が話題になった。また、広瀬すず(20)の主演で注目されたドラマ『anone』(日本テレビ系)では、偽札製造をしていた過去を持つ物語のキーマン、中世古を演じている。

■心に闇を抱える役が似合うようになってきた瑛太

 そう、最近の瑛太が演じる役どころは、「心に闇を抱える」男が多いのだ。瑛太の重たく存在感ある芝居に、ますます磨きがかかってきた証拠といえよう。そんなところに『西郷どん』の大久保役だ。西郷と敵対する大久保利通は、哀愁漂うダークヒーローというイメージが強い。まさに今の瑛太が演じるに、ぴったりの役柄だったわけだ。

 瑛太は2006年の『アンフェア』や、14年の『最高の離婚』(いずれもフジテレビ系)と、これまでは時代を代表するドラマに長く出演してきた。35歳を迎えていよいよ俳優として円熟のときを迎えた現在、大久保利通を演じる『西郷どん』が、瑛太の新たな代表作となる予感がしてならない。(ドラマライター・半澤則吉)

あわせて読む:
・斎藤工が王者!?「芸能界ケンカ最強王」2018、武闘派の裏素顔を暴く!
・瑛太は冬山で死にかけた!?「山好きイケメンの登山エピソード」あれこれ
・3位は堺雅人がランクイン! 芸能界で最も「よい夫」は?