■メンテナンスに大きなコストも…高級車を中古で買う

 子どもが手を離れ、時間的にも金銭的にも余裕が出てくる50代。この世代になると、若い頃に乗ってみたかった憧れの高級車が気になり始めてくるものだ。乗車人数や燃費でファミリーカーを選んでいた人も、夫婦2人での利用を想定してクルマを買い換える人が多い。時間もお金もある。「それなら好きなクルマに乗り換えようじゃないか」という50代は意外に多いのだ。

 そんな高級車を中古で買うために、注意すべき点を確認しよう。中古車販売店で高級車をチェックすると、国産車、外国車を問わず、驚くほど価格が下がっていることがある。これは高級車になればなるほど新車で手に入れたいという願望が強いため、一般車よりも中古車の売れ行きが鈍るからだ。

 しかし、これ幸いと高級車を格安で購入しても、故障箇所が出た場合のパーツ交換や定期的なメンテナンスに大きなコストがかかってしまう。特に外国車の場合はパーツの取り寄せから作業代まで割高なので、目先の安さにとらわれず、その後の維持まで十分に検討する必要がある。

 たとえば新車価格が1000万円の高級車を500万円で購入したとしよう。1年ほど乗り、まだ新しいからと乗り換えを検討すると、購入時の半額、250万円しか値がつかないことがよくある。高級車の価格の下げ幅は、一般車に比べて非常に大きく、手放す場合にも、それなりのリスクを考えなければならない。一般車より価格の変動が大きいため、手放す際の価格も覚悟しておくのが重要だ。

 しかし、中には状態が良好な掘り出し物や、修理歴はあっても内容が軽微な掘り出し物に出合える可能性もある。そのためには、これまでに紹介したような、クルマやユーザーとしっかり向き合ってくれる販売店を探すことが重要だ。

 中古とはいえ、憧れた高級車であることには変わりがない。車両価格はもちろん、維持費や諸経費も含め、妥協することなく探す姿勢が求められる。こちらの熱意と希望をしっかり話せば、それに応えてくれる販売店が見つかるはずだ。

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