■高齢者必読!!「安全運転ガイド」

 普段、なにげなく行っているクルマの運転だが、周囲の確認や設備操作など、多くの作業を並行して行っている。これをマルチタスクというが、年齢を重ねるにつれ、このマルチタスクを処理する能力が衰えてしまう。

 ここでは、そんな加齢による事故の危険を少なくするためのチェック法を伝授したい。

 昨年、警視庁が交通死亡事故を起こした75歳以上のドライバー385人を調査したところ、「認知症のおそれ」に該当する人が28人、「認知機能低下のおそれ」に該当する人が161人に上っていることが判明した。

 高齢になるにつれ、これまでできていたことができなくなり、結果、事故につながるというケースが増えている。

 こうした認識力の低下を早期発見できるのが、次ページのチェックリストだ。このチェックリストに当てはまる項目が3つ以上ある場合は要注意、7つ以上当てはまっているようならMCI(軽度認知障害)の疑いがあるため、認知症の専門医に受診したほうがいい。

 認知能力にはさまざまな種類があるが、クルマの運転において特に重要なのが、「視空間認知機能」というもの。これは、視界に入った物体の位置や向き、距離を認識する機能。これが低下すると、物体との正確な距離を認識することができず、衝突や車体をこする原因となる。

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