■演技派俳優に成長した桐谷健太

 以前は映画『ソラニン』や『BECK』(いずれも2010年)といった青春映画で、等身大の「熱い若者」を演じることが多かった桐谷健太。しかし最近はその演技の幅もグッと広がり、さまざまな役柄を演じている。昨年、菅田将暉(25)とダブル主演をした、又吉直樹(38)原作の映画『火花』では、笑いの天才でありながら不器用で人間くさく、なおかつ面倒くさい芸人の神谷を見事に体現してみせた。

 さらに『サイタマノラッパー』シリーズで知られる入江悠監督の映画『ビジランテ』では、過去に闇を抱える一家の3男を熱演。バイオレンスなシーンを大迫力で演じながらも、シリアスで繊細な心理描写をしてみせた。このように38歳という男盛りを迎え、桐谷健太は見事な“演技派俳優”に成長しているのだ。

 auのコマーシャルでの浦島太郎のイメージが強く、コミカルな俳優と思われがちな桐谷健太だが、シリアスな芝居もすっかり得意となっている。『まんぷく』では桐谷が見せる微妙な心の動きや、感情の動きに注目だ。悪役でありながら憎めないキャラの世良から、目が離せない。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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