■ドラマ『太陽にほえろ!』でジーパン刑事として大人気に

 高倉の『人生劇場~』から遅れること10年。テレビ界では新進のアクションスター、松田優作が日本テレビの刑事ドラマ『太陽にほえろ!』(73年)に鮮烈に登場する。「型破りなジーパン刑事として、大人気になりました。殉職する壮絶なシーンは本人の意向。“なんじゃあ、こりゃ!?”という絶叫は、あまりにも有名です」(テレビ関係者)

 松田は『太陽にほえろ!』に出演後、国民的アイドルの山口百恵とTBSドラマ『赤い迷路』(74年)で共演。映画初主演作『あばよダチ公』(74年・日活)も公開され、翌年は日本テレビの刑事ドラマ『俺たちの勲章』で中村雅俊とW主演と、仕事は順風満帆だったが、ある事件に見舞われる。

「刑事ドラマのロケ地で、絡んできた予備校生に大ケガを負わせたんです。正当防衛とはいえ、過去に記者暴行事件を起こしているので、“暴力俳優”とマスコミから叩かれ、役者人生の窮地に立たされます」(前同)

 そんな松田を支えたのが、映画『竜馬暗殺』(74年・ATG)で共演し、兄貴と慕う原田芳雄だ。「原田の口ぶりや動作などに憧れ、よく真似をしていました。レイバンのサングラスを愛用するようになったのも、原田の影響です」(映画関係者)

 松田を弟のようにかわいがり、公私にわたって面倒を見ていた原田は、『松田優作クロニクル』(キネマ旬報社)のインタビューで、初対面の印象を語っている。〈家に遊びに来たのが初対面で、“『太陽にほえろ!』に出ることが決定しました”と言ったきり何もしゃべらず、部屋の隅で正座してバーボンを飲んでいました。重心が低く、何か腹に鉛を飲み込んでいるような男というのが第一印象で、“こいつとは長いつきあいになる”とピンとくるものがありました〉

 文学座研究所の先輩後輩で、同時代に活躍した俳優仲間の桃井かおりは、研究所時代によく一緒に飲みに行ったという。同誌のインタビューで、松田とのエピソードを披露している。〈優作がボトルがあるという店に行くと、飲み残しのビールに栓をしたものが出てきたの。ボトルには違いないけどね。優作は研究所の半年後輩で20歳から19年間何となく縁が切れずに友情みたいなものがあった。俳優として認め合えた同窓生です〉

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