■九州の2地点は複雑な造りではない

 今回、事故最多となった「江平~」と「新二又~」、さらに東京最多で全国3位タイの「熊野町~」の交差点。実は、九州の2地点は、決して複雑な造りをしているわけではない。「熊野町~」のように、都市高速などの橋脚が視界を妨げ、なおかつ高速道路の出入り口が交差点に隣接していれば、“警戒”もしやすいのだが……。

「『江平~』は、宮崎市中心部と北部を結ぶ幹線道路にあります。実際に通過してみると、危険性をまったく感じさせません。それこそ、スムーズに流れている時間帯が多くあります。しかし、そのイメージがあると、渋滞時に速度を保ったまま交差点に達してしまう。結果、追突事故につながってしまうのではないでしょうか」(同)

 速度を出しやすい時間も多いが、一方で、朝夕などに渋滞する顔も持つ――こうした“二面性”を持つ交差点は、かなり多い。特に、バイパスや郊外の道路によく見られるケースで、速度を出したくても出せない都心や市街地とは別の危険性といっていい。

「実際、渋谷や新宿、あるいは福岡・中洲、名古屋・栄、仙台・一番町といった、歩行者も車も大量に通行する繁華街エリアが事故多発交差点に入っていません」(同)

 これこそが、先に触れた人口の多さと事故件数が必ずしも比例しない背景の一つと言えるだろう。

 一方の「新二又~」は、車線数が多く、交差点面積が大きい。実は、これも典型例である。表組みの説明でも、こうした“注意書き”をした交差点はかなり多い。類似例は、東京都中央区・和田倉門交差点、仙台市・仙台バイパス六丁目交差点、徳島市・徳島本町交差点だ。

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