■松井秀喜監督の実現は遠のいた?

 振り返れば、長嶋氏はFAでもドラフトでも、スター性のある選手を好んでいた。そんな観点から見れば、長嶋氏が原監督の“華のない”補強に不満を抱いても不思議ではないだろう。そして、もう一点、両者の価値観の違いを裏づけるものがあるという。

「それは松井秀喜の存在です。ミスターが松井の監督就任を熱望する一方、原監督は松井を後継者として認めていないんです」(前同)

 長嶋氏が、“松井を監督にするのが最後の仕事”と言い切っているのは有名な話。だが、原監督の存在が、松井監督誕生の一つの障害になっているというのだ。きっかけは2002年、松井のメジャー移籍だった。「当時、松井は引き止め役を務めた原監督を袖にして巨人を出て行った。そのとき、両者に大きな遺恨が残ったといいます」(前同)

 そこで悪化した2人の関係は、今なお改善していないという。「もともと球団内では、原から松井に帝王学を伝授させる構想だった。しかし今となっては、たとえ松井がその気になったとしても、原監督の後任はおろか、入閣すら難しいでしょう。結局、巨人の未来にも、原イズムの悪影響が及んでしまっているんです」(同)

 長嶋氏は、原全権監督の就任会見の際、次のようなメッセージを贈っている。〈ジャイアンツは、多くのファンの期待に応えるために、常に勝たなければならない〉

「常勝巨人」、そして「ファンのために」という大義の前では、個人のプライドなど捨てるべき。長嶋氏の怒りは、そんな思いから出たものかもしれない。

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