■コーチ陣にも大きな差

 さらに、このデスクは選手を育てるコーチ陣にも、両球団の大きな差があると語る。

「巨人のファームコーチの顔ぶれを見ると、FA移籍組が本当に多い。これは契約時に、コーチとしての“再就職”を約束しているから。つまり、育成手腕は二の次なんです」(前同)

 片やソフトバンクは、コーチも数年先を見据えて起用しているのだという。いい例が、今年2軍打撃コーチに就任した新井宏昌氏だ。

「新井コーチといえば、イチローや丸(佳浩/広島)を育てた左打者育成のスペシャリスト。今回の起用は、ドラフト1位で指名した小園海斗(広島)を英才教育するためだったといわれています。残念ながら小園は獲得できませんでしたが、期待の若手に左バッターが多いので、手腕を発揮してくれるでしょうね」(同)

■孫正義オーナーのバックアップも大きいが

 資金は潤沢、加えて選手の育成面や環境も整っている。たった13年で、ソフトバンクはそんな完璧とも思える組織を作り上げた。

「ソフトバンクがこれほどの球団になったのは、親会社や孫正義オーナーのバックアップがあってこそ。しかし同時に、王会長の果たした役割も非常に大きい。王会長がいなければ、今のチームはないでしょうね」(球界事情通)

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