■リストラの憂き目に遭っても

 前身のダイエーから引き続き、ソフトバンクの初代監督を務めた王会長。現在もGM職を兼任し、長年チーム編成を司っている。そんな王会長でも、巨人監督時代には解任の憂き目に遭っている。「巨人での5年間、優勝1回で、Bクラス転落は一度もありませんでした。それでも球団は、王さんをあっさり切った。その非情さは、“常勝”が求められる球界の盟主だからこそ……だったのかもしれません」(当時を知る元記者)

 そして長い浪人生活を送った後、再び袖を通したユニフォームは、巨人のものではなかった。「巨人の看板スターが、地方の新興球団だったダイエーの監督になるなんて、昔じゃ考えられない。王さんに理由を聞いてみると、“パ・リーグなら巨人と戦わない、しかも福岡は東京から一番遠いからね”と答えた。きっと、もう巨人のユニフォームは着ないと覚悟を決めたんでしょうね」(前同)

 そんな王会長の決断には、巨人の盟友・ミスターこと長嶋茂雄氏(82)も感服していたという。「巨人を離れ、新天地で苦労する王さんを見て、ミスターは“ワンちゃんらしいな。苦労を承知で飛び込んでいくなんて、僕にはとてもできないよ”と口にしていました」(同)

 巨人と決別してまで戻ってきたグラウンド。王会長は、それだけ「現場への強いこだわりを持っている」(元記者)のだという。それは、2008年の監督勇退時のエピソードにも現れている。「孫オーナーから会長就任の打診を受けた際、王さんは“名誉職”を拒否。そして今後、自分が役に立てるのはチーム編成だと、兼任でのGM職を買って出たんだそうです」(鷹番記者)

 王会長は78歳となった今もなお、チーム強化のため、精力的に動き回っている。そんな王会長に対する孫オーナーの信頼は絶大だ。「孫さんが王さんに口出しすることはありません。そもそも球団買収時、孫さんの出した条件が“王さんがチームに残る”こと。孫さんが目指す“世界一の球団”には、“世界の王”が必要不可欠と考えていた。まずは王さんありき、なんです」(事情通)

 孫オーナーが、MLB優勝チームとの“真のワールドシリーズ”を真剣に目論んでいるのは有名な話。求めるものは、極めて高い。「孫オーナーは、今回の日本一を祝福しながらも“リーグで2位になったことを重く受け止めてください”と苦言を呈したといいます。この発言には、王会長も同意していたようです」(同)

 日本一でも手綱を緩めない常勝軍団。もはやソフトバンクにとって、“球界の盟主”巨人は視界にすら入っていないのかもしれない。

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