“世界への扉”ジャパンカップは、圧倒的な1番人気馬、3歳牝馬アーモンドアイの強さとC・ルメールのうまさが際立つレースとなりました。タイムは、これまでの記録を1秒5も更新する世界レコード。日本のホースマンの一員としては世界に向けて、“どうだ、これが日本だ!”と胸を張りたいところですが、ライバルとしては……苦笑いするしかありません。どういう競馬をしたら、このアーモンドアイとルメールのコンビに迫れるのか。勝つためには、どんな乗り方をすればいいのか。2019年に向けて、また、大きな目標ができました。

 この日、僕はパートナーのマカヒキの体調が整わず回避したため、スタンドから観戦していましたが、レースを見ながら思い出していたのは、1981年に行われた第1回ジャパンカップです。当時の僕は競馬学校にも入学しておらず、幼なじみの泰寿くん(池江泰寿調教師)と、「いつか世界に出ていきたいな」と夢を語り合い、このレースを勝った19歳の若き天才ジョッキー、キャッシュ・アスムッセンに憧れる、ただの競馬好きの少年でした。これまで影響を受けた外国人ジョッキーは数多くいますが、一人だけ挙げろといわれたら、このキャッシュです。騎乗フォームや世界をフィールドにする姿勢は、僕のお手本でした。

――なぜ、世界なのか? 今年も野球の大谷翔平選手をはじめ多くのスポーツ選手が活動の舞台を世界に移しましたが、その人の置かれた状況や立ち位置によって、理由はそれぞれです。ある程度、通用する自信があったからという人もいれば、競技を始めた頃からの夢だったという人もいるし、自分の力を試したかったという人もいるでしょう。

 でも、しかし。そのほとんどの人が、壁に跳ね返され、今のままじゃ通用しないという挫折を味わいます。本質は変わらなくても、その都度、マイナーチェンジを繰り返し、適応能力を見につけ、高い壁に食らいついています。

――そこまでして、なぜ世界なのか? 答えは……世界には、日本では出合えなかったワクワクするような楽しさが、たくさんあるからです。世界中の名馬とジョッキーたちと、勝ち負けを競い合う。考えただけで、ゾクゾクしてきます。

■今週はG1阪神ジュベナイルフィリーズ!

 今週、12月5日は、その海外……香港招待競走に出場。選んでいただいたことは刺激にもなるし、励みにもなります。もちろん、日本を疎かにするつもりはありません。今の僕の主戦場は、ここ、日本です。日本のファンに喜んでいただけるような競馬をすることが、次への一歩に繋がります。

 9日、日曜日は、G1阪神ジュベナイルフィリーズ。パートナーは、ソウルスターリングの半妹、藤沢和雄厩舎のシェーングランツです。今年も残りわずか。G1の勲章へ向けて、ここは力が入ります。

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