『下町ロケット』年またぎ放送で、最高視聴率が出る!?の画像
※画像はTBS『下町ロケット』番組公式ホームページより

 阿部寛(54)が主演を務める日曜劇場『下町ロケット』(TBS系)も、いよいよ佳境だ。最終回間近となったが、なんとここにきて2019年1月2日にスペシャル版が放送されることが決定した。連ドラが年をまたいで放送されるとはかなり珍しいだけに、注目を集めているが、この“年またぎ放送”に勝算はあるのか? 12月9日に放送された第9話を振り返り、考えてみたい。

「ギアゴースト」と「ダイダロス」が作った下町トラクターに敗北した、「帝国重工」のアルファ1。この結果を受けて帝国重工の的場(神田正輝/67)らは、野木(森崎博之/46)の自動制御システムの不具合が原因だと訴える。しかし「佃製作所」の佃航平(阿部寛)は、帝国重工が開発したトランスミッションが原因ではないかと、帝国重工の財前に説明し、再度のテストでこの説が立証される。的場らは帝国重工に落ち度はないと訴え続けるが、社長の藤間(杉良太郎/74)の前で帝国重工のトランスミッションに問題があったことが判明し、藤間は的場と奥沢(福澤朗/55)に激怒した。その後、ロケットに使うバルブシステムを自社で開発しようとする帝国重工と、もともとバルブを供給してきた佃製作所のバルブ製作競争が激化。佃製作所は見事に勝利を収める……という展開だった。

 この放送では、悪役の的場たちが追い込まれたりと、久々に佃製作所が技術力で帝国重工に勝利するシーンが盛り込まれ、実に爽快だった。この水戸黄門的な展開は、『半沢直樹』(TBS系)に代表される、日曜劇場の伝家の宝刀といえよう。この回を見ると、なるほど正月ドラマとなるのも納得できる。

 というのも、正月ドラマはふだんの連ドラとスタンスが違う。家族みんなで見るものなので、求められるのは老若男女が楽しめる「分かりやすさ」なのだ。『下町ロケット』のゴールは「佃製作所の成功」と、とにかく分かりやすいため、まさに正月にはうってつけのドラマなのだ。

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