松坂慶子
松坂慶子

 きたる2019年は国民的映画シリーズ『男はつらいよ』誕生50年の年。これにちなんで、約22年ぶりとなる第50作目の新作の製作が発表された。そんな“寅さん記念イヤー”に先駆け、歴代マドンナたちの魅力と、その私生活を検証したい。

 山田洋次監督(87)の新作映画『男はつらいよ 50 おかえり、寅さん(仮題)』は、19年末に公開予定。存命中のレギュラー出演者らによる新撮パートと、渥美清(1928〜96年)も出演する過去映像とを織り交ぜた構成になるようだ。

 さて、この新作の出演者の中に、シリーズのファンにはうれしい名前があった。第11作『〜寅次郎忘れな草』(73年)で、売れないキャバレー歌手・リリー役を演じた浅丘ルリ子(78)だ。盛り場から盛り場を渡り歩く彼女は、それまでのマドンナとは何かが違った。「リリーは寅さんと同じ体温を持っていて、根無し草的なところがある。そんなことから、2人は惹かれ合ったんですね」(映画評論家・秋本鉄次氏)

 リリーはファンからの人気も高く、第15作『〜寅次郎相合い傘』(75年)、第25作『〜寅次郎ハイビスカスの花』(80年)にも登場した。ここでは「結婚してもいい」という気持ちを口にするが、ヤボな寅さんはそれをはぐらかし、観る者をヤキモキさせている。

 その後もファンが望み続けた再登場は、15年の時を経て第48作『〜寅次郎紅の花』(95年)で実現。「撮影時、渥美さんがあまりに痩せ細っていたことから、浅丘さんは“これが最後の作品になるかもしれない”と感じたといいます」(映画雑誌記者)

 観客も、出演者の高齢化からシリーズの終焉が近いことは察しており、今度こそハッピーエンドを願ったが……。「浅丘さんも、リリーと寅さんの結婚を望んだそうです。ただ、山田監督には、なんとか50作目までは作りたいという意図があり、そうならなかった」(前同)

 そして、公開から約半年後に渥美清は永眠。浅丘の予感通り、『〜寅次郎紅の花』は最後の完全オリジナル作品となった。なお、その後、過去の作品と新撮シーンを再編集した第49作『〜寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』(97年)も公開されている。

 リリーを演じた浅丘は14歳の頃に映画界入り。以後、日活の看板女優に成長していく過程で、激しい恋をしていたことを近年になって告白している。「デビューから約3年後に小林旭(80)と出会い、“運命の人”だと感じ、事実婚のような関係になったとか」(芸能プロ関係者)

 若きマイトガイも、彼女には相当入れあげたが……。「彼女の父親に結婚を強く反対され、破局することになったとか」(前同)

 そして、浅丘は71年に俳優の石坂浩二(77)と結婚。婚姻関係は長く続くが、石坂の不倫もあり00年に離婚。そして、離婚後もオンナであり続け、すぐに20歳年下の大衆演劇俳優・松井誠(58)と熱愛関係に。さらに72歳の頃には、石原プロ所属の俳優・金児憲史(40)との交際報道もあった。「最近は、テレビドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)で石坂浩二と再共演。さらに、小林旭とデュエット曲をリリースするなど、ある意味でリリー並みにキモが座ったところを見せています」(同)

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