80年代アイドル美女黄金白書
第8回・中山美穂
中山美穂(48)は、時代ごとに波に乗り続けたアイドルだといえる。それこそが長く第一線で活躍できる最大の要因だろう。その都度、パブリックイメージを変容させ、ブランディングに成功してきたのだ。
彼女の存在が広く知られるようになったのは、85年のテレビドラマ『毎度おさわがせします』(TBS系)だ。性をコミカルに描いたこの作品は、21世紀の倫理観では考えられない内容の問題作だった。
このドラマでミポリンは、エッチに興味津々で、一人称が「オレ」の少女“のどか”を実にイキイキと演じた。これがハマり役だった。下着姿は当たり前、上半身ハダカのバックヌードも晒す10代の女優に視聴者は度肝を抜かれたのである。
『毎度おさわがせします』は高視聴率を記録。同時にミポリン人気も急上昇した。
エッチで優等生とはいえない女の子のイメージが、当初のイメージだった。デビューシングルのタイトルは『C』。公式見解は、海(SEA)という意味とのことだったが、当時の隠語、“Aはキス、Bはペッティング、Cは×××。”というのを、連想させる作戦であることは明白だった。
また、初主演ドラマは『夏・体験物語』(TBS系)。この作品もタイトルのみならず、内容も刺激的だった。ちなみに、当初は「初体験物語」という仮題がつけられていたという逸話もある。
第二弾シングルのタイトルは『生意気』。続いて、85年12月公開の映画『ビー・バップ・ハイスクール』のヒロインを演じ、主題歌も歌う。この映画は、もはや時代遅れだったツッパリ高校生(当時“ヤンキー”という言葉は全国区ではなかった)の世界を描いたもの。成績優秀な女生徒の役ながら、東映特有の不良生感度に満ちた作品に彼女はマッチした。