■東京オリンピックを控えて

坂上 やっぱり、東京オリンピックを控えているわけだから、それこそスポーツっていうのは今まで以上に、メディアにとってのドル箱になってるわけですよ。だから、メディアとしては、今は“スポーツ”を守りたいわけですよ。ただ、守りたいけど、たとえば週刊誌の利益としては、「こういうことあったんです。許せないよね」って書くしかないよね。それで、新聞とかテレビとか、他のメディアに対して、「あんたら、これをどう扱うのよ?」って突きつけてるような感じがするんですよね。

――メディア間でも、スタンスの差がありますよね。

坂上 叩くか守るかというメディア間の綱引きがある中で、日大の場合は会見を開いて、ことごとく失敗しちゃったからね。そうするとテレビも、もう守れない。「もう、これ無理です。お手上げです」ってなると、あそこまで洪水のような報道がいくんですよ。

――なるほど。

坂上 だから……まあ、僕もいろいろなことで日々戦っていますけど、やっぱり、週刊誌の報道が事実だとするならば、もうね、隠してもダメですよ。潔く「ごめんなさい」しかなくなるわけです。この構造をスポーツ界の人たちも、理解したほうがいいんじゃないかな。オリンピックの半年前ぐらいから、絶対にスポーツ盛り上げムードになるのは分かっているんだから。不祥事があっても1回、そこで切れちゃうから。だから、それは逆に言ったらスポーツ界はラッキーですよ。羨ましいぐらいですよ。だって東京オリンピックがなかったら、ヘタしたら、ず〜っとスポーツ界の不祥事の報道が続いていくかもしれないわけだから。

――「オリンピックに救われているんだぞ」と。

坂上 たとえにならないかもしれないけど、アメリカでは、ブッシュ政権のときに、ブッシュが低い支持率でコテンパンにやられてんのに、イラク戦争が起こったら、ダーンと支持率が跳ね上がるようなものでさ。やっぱり、東京オリンピックだって、国民感情が「盛り上げよう」ってなっちゃうわけだから。だから、スネに傷があるとか、今、何か問題を抱えているんだったら、スポーツ関係者は早いうちに“ミソギ”を済ましておいたほうが、たぶん一番楽ですよ。

――貴重なアドバイスですね(笑)。

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