■山根明ボクシング連盟前会長がテレビで人気者に

坂上 でもさ、スポーツ界の不祥事を見ると、やっぱり狭い世界であぐらをかくっていうのが、どれだけ怖いことかって分かりますよね。やっぱり、世間との乖離というか、常識が分かってない人たちって、世の中にこんなにいるのか……って思っちゃいます。

――今、うちでも連載していただいているんですが、山根前会長がテレビにも出ていて、人気者になっていますけど、これについては、どう思いますか?

坂上 スゴいですよね(笑)。キワキワだとは思いますけど、複雑ですよね。不正判定っていうのは、ある種あったって認められたわけで、「キャラが面白かったからといって許されないだろう」という意見もあって当然ですよね。ま、僕も『バイキング』をやっていますから日々、葛藤しますけど、被害を受けた方がいるから公の事件になるわけで、その被害者感情っていうのをやっぱり忘れてはいけないと思うんですよね。

――そうですね。

坂上 ただ、パワハラやセクハラ被害を受けてる人が、「パワハラ、セクハラって言ったら、そうなんだよ」っていう風潮に対しては、僕は乗っかるつもりはないですよ。それは暴論ですよ。だって、そんなこと言ってたら、何でもパワハラになっちゃうでしょ。本当、そうです。坂上 だから、『バイキング』での流れで言ったら、スポーツ界が「暴力は排除」って言うんだったら、暴力は何があってもNGなんですよ。ただパワハラに関して言ったら、これはちゃんと吟味しないと怖いよねっていう論調ですかね。ただ、その……もう一方で、なかなかテレビでは言えないけど、思ってるのはスポーツ界は暴力はダメだって宣言したからダメなんだという言い方をするんだとしたら、芸能界は別に暴力がダメだって宣言してないんですよ。だから、同じ暴力と言っても、線引きってあるはずなんですよ。

――昔は教師の体罰も、当たり前でしたからね。

坂上 頼むから、芸能界は世間並みの常識を守りますなんて宣言しないでほしいですね。スタッフの人たちとか、本当に寝ずにやってるわけだから。そのうえ、政府からは「働き方改革」とか無茶苦茶なこといわれてるし。

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