坂上忍
坂上忍

 “日本一の視聴率男”と呼ばれ、『バイキング』(フジテレビ系)のMCなど、テレビで大活躍中の坂上忍氏に、2018年のニッポンの核心を斬ってもらった!!

――前回は続発したスポーツ界の不祥事をテーマに話してもらいましたが、この事件も欠かせません。ズバリ、貴乃花親方(花田光司氏)の一連の騒動は、どんなふうに見ていましたか?

坂上 僕は、引退に関しては貴乃花さんの“独り相撲”だったんじゃないかなと思っています。ただ、あの一連の問題で責任を取らない日本相撲協会の上層部は、いかがなものかっていうのはありますね。角界の騒動を『バイキング』で取り上げる際は、スタッフさんはドキドキしながら見てたと思います。やっぱり、相撲協会の“圧力”っていうのは、なかなかのものがありますので……。でも。う~ん、僕は日大の騒動のときも思いましたけど、やっぱり、何かちょっとレベルの超えたことが起きたときに、トップが責任を取らないような組織は、組織としての体を成してないし、トップこそ責任を取るべきだと思いますよ。やっぱり、八角理事長も日大の田中(英壽)理事長も、「何やってんの?」って思うし。特に八角さんの場合は、貴乃花をあそこまで貶めたんだったら、自分にも、もっと重い処分を下すべきで、それをやっていたら、少しは説得力があったのかなって気はしますけどね。

――八角理事長は、貴ノ岩への暴行事件が問題視された際に、3か月分の報酬を返上しただけですからね。

坂上 そう。金ですませただけですから。だから、相撲協会は万々歳なんじゃないですかね。このままだと、協会の体質は何十年も変わらないと思います。

――貴乃花は、そんな協会を改革しようと立ち上がっていたわけですね。

坂上 でも、貴乃花も不器用すぎましたね。周りに何人か仲間がいたはずなのに、結局、その人たちも一斉にいなくなってしまったし。とはいえ、貴乃花はすごいですよ。ガチンコで一代年寄になった人ですから。もう二度と、あんな人は出ないと思うし。まあ、別の次元の問題として、国民が相撲という競技をどういう目で見るかってことも、背後にはあるわけですけどね。

――相撲を、どう捉えるかという問題ですね。

坂上 相撲に限ったことではない。貴乃花はすべてにおいてガチンコなんですよ。だからこそタチが悪い。間違っていないところがタチが悪いんですよ。

――不器用すぎるんですね。

坂上 でも、僕にもそういう部分があるんですよ(笑)。自分から「きれい好き」とか言ってますけど、確かに潔癖なところがあるので。『バイキング』の放送でも、「俺の言ってること正しいじゃん」と思っていても、生放送でそれを言い続けるのは難しい。365日、正しいこと言ってちゃ成立しないことがあるわけですよ。ということは、ある意味、自分が「汚れる」わけじゃないですか。だけど、僕には「これだけは絶対に譲れない」っていうのがあって、それを、どこかスタッフさんも分かってくれるから、やれている部分がありますよね。

――だから、『バイキング』は見ていて面白いし、ヒリヒリする瞬間があるわけですね。

坂上 逆に毎回毎回、「自分の意見は要らないよ」っていうのだと、持たないですね。「これに関しては全部言わないと気がすまない!」というのがありますから。ただ、それを毎日やっていたら、たぶん、視聴者の方も見てくれなくなっちゃうと思うんですよね。

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