■強風にハンドルを持っていかれることも

 一方で、高速道路の新旧に関係なく、注意が必要となる場所もある。東京と関西を最短で結ぶ道路として、新東名、新名神(本誌発売時点では東名阪道経由)をリンクさせる伊勢湾岸道も、その一例。「伊勢湾岸道はC規格といって設計速度が抑えられているんですが、実際に走ってみるととても走りやすい。しかし、沿岸部を通っているため、強い風が吹くことがよくあるんです。車高が高い車だと風にハンドルを持っていかれそうになりますから、車高が高い車の隣を走る際は、横からの接触に警戒する必要があります」(同)

 さらに、最新技術で造られ、最高時速が110キロまで引き上げられた区間を含む新東名や新名神なら安全かというと、そうとも言い切れない。「道が単純で景色も単調。運転しているうちに、とても眠くなってしまうんですよ。こういう道こそ、集中力が必要になりますよね」(大手運送会社ドライバー)

■スタッドレスタイヤでもチェーンを装着

 そして、年末年始のこの時期に、最も気をつけなければいけないのが、積雪と凍結だ。北海道を走る道央道や道東道、東北地方の東北道、秋田道、山形道、磐越道、日本海沿岸道、また、北陸道や上信越道、関越道など、日本には積雪地帯に数多くの高速道路がある。さらに、12月14日からは、国土交通省の省令が公布・施行され、国内13か所でタイヤへのチェーン装着が義務づけられた。しかも、スタッドレスタイヤをはいていても、その上からチェーンを装着しなければならないというのだ。

「2018年2月に北陸で大雪が降った際には、福井県から石川県にかけての国道8号線で、約1500台の車が立ち往生する事態となりました。解消までにかかった時間は3日間。こうした事態をなくすのが目的です」(全国紙記者)

 しかし、すでに施行されていながら広く周知されているとは言い難く、読者の中にも初めて知ったという人も多いだろう。

 13か所のうち、高速道路や自動車専用道路に当たる区間は8区間で、残り5区間は一般国道。意外なのは、高速道の当該7区間のうち、2区間が中国道にあることだろうが、言い換えれば、西日本であろうと、日本海側は大雪が降るということ。そのため、年末年始に長距離運転する際には、ぜひ積雪や凍結への万全の備えをしておきたいところ。

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