■団長も驚いた「え～団長だけずるい！」発言
ある日、テレビに出始めていた頃、クロちゃんが梅田で酔っ払いに絡まれたんです。で、俺が止めに入ったんだけど、今度は俺が絡まれた。クロちゃんが助けてくれるかなと思ってパッと見たら、完全に知らん顔（笑）。なんやねんと思って、しょうがないから酔っぱらいにディープキスをして追い返したんですよ。あぁ最悪やなと思ってたら、クロちゃんが近付いてきて「え～団長だけずるい！」って。いやいや、すみませんとか大丈夫ですか？ でしょう、普通は。それが「団長だけずるい」ですから。好きでキスするわけないやろ！ って。アイツにしかできないような独特な返しは、才能です。
だから、それを面白がってくれた『水曜日のダウンタウン』のスタッフはホンマにすごいし、ありがたい。クロちゃんがブレイクしたのって、あいつが何も隠さないからなんじゃないかと思っているんです。人間が誰しも奥底に持っているものを、抑えずに素直に出してしまう（笑）。
普通は成長していく過程で、言っちゃダメなこととかやったら怒られることを理解して、そういうことをしないようにする。例えば、人にブスって言ったらあかんとかね。だけど、みんなどこかで持ってるんですよ、かわいい女のコがいたらあっちもこっちも口説きたいとか、そういう欲望を。
みんなが当然抑えているものをアイツはやっちゃう。だから見ている人もクズだなって笑いながらも、どこかで共感できることがあるんだと思いますよ。俺はクロちゃんって現代社会のストレスの歪みが生み出したものだと思ってますから（笑）。今の時代は、クロちゃんがスーパースターになれる時代なんですよ。
ブレイクしてからも俺との関係性は変わらないですね。頼んだらお茶も汲んでくれますし。でも、全面に出したら俺がキレるから抑えているけど、「俺、いまブレイクしてるから」みたいな雰囲気を醸し出してる（笑）。
とはいえ、クロちゃんみたいな感じで売れたいとは思いませんけどね。ああやって売れて、仕事量的にはある意味羨ましいけど、あんな売れ方はまったく羨ましくないですよね。クロちゃんみたいになりたいっていう人は、普通に考えたらこの世の中にひとりもいないですから（笑）。
現在発売中の『ＥＸ大衆』２０１９年１月号では、「クロちゃん その可能性の中心」と題して安田大サーカスのクロちゃんを総特集している。
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