■腸内細菌のためにヨーグルト、みそ汁

 藤田博士は自身の研究テーマでもある「腸と腸内細菌」からも、毛髪増量にアプローチした。「腸内細菌は毛髪の成長に欠かせない各種ビタミンなどを作る働きや、活性酸素を消す強力な抗酸化力があります。腸内細菌を元気にすれば、髪の毛も元気になると思ったんです」(同)

 腸内細菌を元気にさせるため、食事のときに必ず取り入れるようにしたものがある。それはヨーグルトと、みそ汁だ。「発酵食品のみそは腸内細菌を増やすのに役立ちます。オススメは、イワシのつみれと納豆を入れたみそ汁です。青魚の脂質(DHAやEPAなど)で血液がサラサラになり、納豆の発酵菌で腸の状態も良くなります」(同)

 また、腸内細菌の格好のエサとなるワカメなどの海草やメカブ、オクラ、納豆などのネバネバ食品を3種類、食べるようにした。そして、日頃飲む水も、体と髪の毛を若返らせる「シリカ」(水溶性二酸化ケイ素)入りミネラルウォーターに変えたという。

「人間の体内にもあるシリカは血管の弾力性を保ったり、皮膚のコラーゲンの生成を助けるなどの働きがあります。コラーゲンは頭皮や毛母細胞に重要な栄養素なんです」(同)

 シリカは玄米、粟、ほうれん草、バナナ、レーズンなどの食品にも含まれているが、藤田博士は、手っ取り早さから、シリカの含有量が多い天然水で摂取することにしたという。

 糖質制限食と酸化物の排除、そして腸にいい食材とシリカ入りミネラルウォーター――これらの努力のかいがあり、50代の頃から髪の毛が増えたという。「私自身の体験からも、食事や生活習慣を改めるだけで、髪の毛を70歳、80歳まで保つことは十分に可能だと思いました」(同)

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