■同時多発テロやイラク戦争に対して

「今日の世界は決して平和な状況にあるとはいえません」(平成21年11月 天皇陛下ご即位20年に際して)2001年の同時多発テロや、それを契機として勃発したアフガニスタンでの戦争、さらにはイラク戦争などを想定してのご発言。

「私がむしろ心配なのは、次第に過去の歴史が忘れられていくのではないかということです」(平成21年11月 天皇陛下ご即位20年に際して)外国報道協会の代表から、高齢化や経済など日本の将来に対する懸念点について尋ねられた際のお言葉。

「国民一人一人が、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者と共にそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています」(平成23年3月 国民に向けてのビデオメッセージ)東日本大震災後、陛下は7週続けて被災地をご訪問し、厳しい寒さの中、食料や燃料の不足に悩む被災者のことを深く心配されていた。

「よい友達ができるといいですね」(平成23年4月 埼玉県加須市の旧騎西高等学校)埼玉県に避難した、福島第一原発事故の被災者の子どもたちへのお言葉。

「若いときには高齢のため転びやすくなることなど考えてもみませんでした」(平成24年12月 79歳の誕生日の記者会見で)この年の2月に心臓のバイパス手術を受けた陛下が、高齢化社会とご自身の加齢現象について述べた。

「宮内庁、皇宮警察という組織の世話にもなり」(平成25年12月 80歳の誕生日の記者会見で)昭和天皇など、さまざまな人にお世話になったとしたうえで、“裏方”とも言える宮内庁や皇宮警察関係者の名前を挙げて感謝のお気持ちを表した。

「前途にさまざまな夢を持って生きていた多くの人々が若くして命を失ったことを思うと、本当に痛ましい限りです」(平成25年12月 80歳の誕生日の記者会見で)80歳の傘寿を迎えた陛下が、これまでの歩みを振り返って述べた。

「日本チームの勝利に、(英国)チャールズ皇太子からお祝いのメッセージをいただきました。皆さんの奮闘は日本だけではなく、世界から注目されているのです」(平成27年9月 W杯ラグビー日本代表選手へのメッセージ)日本代表が強豪の南アフリカを倒し、世界中を驚かせたが、陛下が、その代表メンバーを激励した非公式なお言葉。

「苦労して作物を育ててきた人々の気持ちはいかばかりかと察せられました」(平成27年12月 82歳の誕生日の記者会見で)この年の9月に関東・東北を集中豪雨が襲い、10月に茨城県常総市を訪れた陛下が、泥水につかった田畑を目にしてのご発言。

「私どもの住む日本は誠に美しい自然に恵まれる一方、自然災害を受けやすい環境にあり、~」(平成28年1月 新年を迎えての感想)東日本大震災から5年を迎える年であり、年頭にあたって、国民一人一人の防災への意識と、身を守る努力の大切さを強く訴えた。

「天皇の務めとして、何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えてきました」「これまでのように、全身全霊を持って象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」(平成28年8月 ビデオにて)象徴天皇としてのお務めについて、陛下が国民に向けてビデオで思いを語った際のお言葉。このあと、退位への動きが具体化していくことになる。

「両国はかつて、戦争をした歴史がありますが、その後の日米の友好関係、米国からの支援により今日の日本の姿があるのだと思います」(平成29年11月 皇居にて)米国・トランプ大統領との会見で来日したトランプ大統領と天皇陛下が皇居で会見した際のお言葉。今年即位する新天皇が初めて会う外国人首脳は、このトランプ大統領といわれている。

「国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません」(平成30年8月 全国戦没者追悼式で)終戦から73年。陛下は毎年、追悼のお言葉を述べているが、今年退位される陛下にとって、これが追悼式での最後のお言葉になった。

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