アコンカグア登頂を目指す三浦雄一郎氏とスタッフ
アコンカグア登頂を目指す三浦雄一郎氏とスタッフ

 86歳にして南米最高峰に挑戦するも、残念ながら日本時間21日朝に登頂中止の判断を下した三浦雄一郎氏が、遠征出発直前“元気の秘訣”を、『週刊大衆』記者の取材に応えてくれた!

 70歳を過ぎて3度エベレスト(標高8848メートル)に登頂、今回、南米最高峰・アコンカグア(6961メートル)に挑戦と、近年の三浦氏は、生涯現役、アンチエイジングの権化のようなイメージがある。だが、実は世界7大陸最高峰のスキー滑走など数々の偉業を果たしたあとに、事実上、リタイア状態にあった期間があった。

 この時代を三浦氏は、こう自嘲する。

「50代になってから、引退を考えた。新しい目的がないから、トレーニングをやらなくなる。そのうえで、焼き肉食べ放題、ビール飲み放題を繰り返していたら、ひどいメタボになってしまったわけです(笑)」

 そこから、再び冒険に挑むまでには、どんな変化があったのだろうか?

「65歳のあるとき、強い心臓の痛みを感じまして。病院で診てもらったら、血圧は上が190を超え、高脂血症で、糖尿病の疑いも。“このままでは、持ってあと3年”と言われたんです」

 さすがの三浦氏も、これは堪えた。そこで心機一転、肉体改造に挑むのだ。

「数値を下げるためのダイエットをすれば健康状態を維持できるでしょう。ただ、それだけでは加齢による体力、筋力の低下を止められない。だから私は、体力、筋力、気力を復活させ、若さを取り戻す手段を考えたんです」

 そこで、三浦氏はまず、目標を設定した。それがあることで、前向きな気持ちになれるからだ。

「当時、私の父親(スキーヤー・三浦敬三氏=故人)が5年後に99歳でモンブランでのスキー滑走を目標にしていたので、“よし、じゃあ、オレは70歳のときにエベレストに登ってやろう”となったんです」

 父子ともども、目標のスケールは実に大きかった。そして、膝を痛めていた三浦氏は苦心の末に、若さを取り戻すためのトレーニング方法を生み出す。重り入りの靴をはき、アンクルウェイトを巻き、さらに重くしたリュックサックを背負い、ゆっくり歩く名づけて「ヘビーウォーキング」。

「片足に1キロ、背中に10キロから始めて、3年目には、片足10キロ、背中に30キロまで増やして歩けるようになった。負荷をかけることで、衰えていた膝や足腰の調子がよくなってきたんです」

 このスペシャルトレーニングのおかげで、“余命宣告”から数年で若さが戻り、メタボも解消したのだ。といっても、その間に徹底的な食事制限は……しなかった。

「おいしいものを食べるのも、お酒を飲むのも人生の楽しみの一つです。目標を設定し、運動をしたうえなら、あまりガマンする必要はないと私は思います」

 その考えは間違いではなかった。02年に70歳でのエベレスト登頂に成功。そして、5年後に75歳で、さらに5年後に80歳でと、通算3度、地球のテッペンに立つことになる。だが、その道は決して平坦ではなかった。特に80歳のときは、不整脈、骨折など、事前のコンディションは最悪だった。しかし、

「できない理由を並べるのではなく、どうすればできるかを考えてみた。昔、どこかで聞いた、“年寄り半日仕事”という言葉が浮かびまして」

 辞書には載っていない。民間に伝承された格言なのだろう。“体力が衰えた高齢者は半日だけ働けばいい”という意味のようだ。

「1日の行程を、一般的なエベレスト登山の半分程度にしたスケジュールを組んでみた。それが、うまくいきまして……」

 登山界の常識を打ち破る方法で負担を軽減し、見事、登頂が果たされたのだ。また、柔軟な思考も若さを取り戻すためのプラスになっているようだ。

「新しいものでも、体によさそうなら積極的に取り入れるようにしています。たとえば、あるドクターに男性ホルモン注射を勧められたので試しにやってみたら、劇的な手応えがあった。

 コマーシャルに出ているから言うわけじゃないが、サプリメントにも体にプラス効果がある。今は科学、医学はどんどん進化していますから、それに頼ればいいんです」

 人生100年時代。三浦氏の健康に対する独自の哲学は、一般的な高齢者が、いつまでも元気に生きるための大きな指針になりそうだ。

 さて、気になるのが今回の南米遠征の結果だ。アコンカグアの登頂成功率は3割程度だといわれている。順調にいけば1月22日が登頂予定日となっている。

 どんな結果に終わっても、86歳の挑戦は、多くの人を勇気づけるものだと言えるだろう。

 現在発売中の『週刊大衆』2月4日号では、この他に“腰痛退治”のスーパードクターがいる52の病院を紹介する企画など、健康特集などを掲載している。

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