■桑田真澄も巨人と決別

 85年“涙のドラフト”のもう一人の当事者、桑田真澄の最後も、また寂しいものだった。巨人のエースとして173勝を挙げた桑田が、2軍暮らしを続けていた06年。桑田は9月に清武代表と面談し、巨人と“決別”することになる。「この席上、代表は桑田に引退勧告するとともに、将来の巨人指導者として、アメリカへのコーチ留学を提案。しかし桑田は、これを拒み、現役続行にこだわりました」(球界事情通)

 桑田は、球団発表に先駆け、自身のホームページに、〈明日、ジャイアンツのユニフォームでマウンドに立つのは、おそらく最後〉と、退団を示唆するメッセージを発表。2軍の最終登板前日のことだった。「桑田は“花道”の1軍昇格を待っていたものの、声がかからなかった。そこで、ファンのため“引退試合”の告知に踏み切ったといいます。しかし球団側は、桑田の一方的な退団発表に激怒。その後、長らく桑田と球団に深い溝ができる要因となりました」(前同)

 桑田の巨人最後の登板となったイースタンリーグの対湘南戦には、3495人ものファンがつめかけた。「2軍戦としては記録的な動員でしたが、桑田とともに三本柱として活躍した斎藤雅樹、槙原寛己両投手の引退試合は東京ドームで5万5000人。あまりにも対照的ですよね……」(同)

■二岡智宏は不倫騒動で

 球団の“非情采配”で巨人を去った選手の中でも、特に異質なのは二岡智宏のケースだ。二岡は、1998年のドラフトで巨人を逆指名して入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ、一躍人気選手になった。しかし、順風満帆なプロ野球人生は、08年に一変してしまう。キャスターの山本モナと女性週刊誌にスクープされたのだ。「報道時、すでに二岡は妻帯者。巨人の看板選手と人気キャスターの不倫スキャンダルということで、大きく騒がれました。双方とも不倫関係は否定しましたが、“火消し”にはなりませんでしたね」(芸能記者)

 当時、二岡は肉離れのため、2軍で調整中の身。しかも、この年から巨人の選手会長を務めており、チーム内外から批判が殺到した。「二岡は“巨人の伝統に泥を塗った”と上層部の怒りを買い、オフにトレードで日ハムへ放出。選手会長を追い出すんですから、それだけ怒りが大きかったということでしょう」(デスク) 球界の盟主たる巨人にとって、許しがたい中心選手の女性スキャンダル。二岡が球団から切られたのは、自業自得でしかない。

 今後も巨人は、大型補強を続けていくだろう。入団する選手たちの末永い活躍を祈るばかりだ。

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