『いだてん』中村勘九郎の主役抜擢に、アノ映画の影響あり?の画像
※画像はNHK『いだてん』公式ホームページより

 大河ドラマいだてん〜オリムピック噺〜』(NHK)は1月20日放送の第3話で、ついに主人公の金栗四三(中村勘九郎/37)が東京へやってきた。まずはその内容を振り返ってみよう。

 金栗四三は、嘉納治五郎(役所広司/63)がいる東京高等師範学校に合格。家族に見送られながら友人の美川秀信(勝地涼/32)とともに、東京へと旅立つ。四三は電車の中でスリに遭ったり、永井道明(杉本哲太/53)の厳しい洗礼を受けるなど苦労もするが、憧れの嘉納治五郎と対面し、学校での日々を楽しむ。四三はその後、帰省して春野スヤ(綾瀬はるか/33)と再会。しかしスヤが見合いすることを知り……。

 この回は金栗四三がマラソンと出会うという、大切な回だった。けれどストーリーよりも注目されたのは、中村勘九郎の演技力だ。ツイッター上には「どう見ても10代にしか見えないわ」「中村勘九郎のことをかわいいと思う日が来るなんて」と、若々しくかわいい四三への絶賛コメントが相次いだ。スヤとともに自転車節を歌うシーン、列車からスヤに向かって叫ぶ場面など、主人公、金栗四三のいきいきした姿は実に爽やかで、四三という多くの人が知らないであろう偉人に、しっかりとしたキャラクターを与えていた。

 中村勘九郎はご存知、故十八代中村勘三郎のご子息。梨園の名家に生まれ、弟の中村七之助(35)とともに幼少期から歌舞伎界のサラブレッドとして、注目され続けてきた。歌舞伎役者としては申し分のない経歴の持ち主だが、映画やドラマの出演は少なく、今回の大河主役も「抜擢」という印象は否めなかった。

 しかし、37歳とはとても思えない彼のキラキラした演技は心地よく、金栗四三の田舎者らしさも見事に表現している。思わず笑ってしまうほど「かわいい」金栗四三は、今後も話題になること間違いなしだ。幸いにも金栗四三は92歳まで長生きし、現役引退後も日本でのマラソン普及に尽力した人物。リレー形式で主役が入れ替わる本作だが、もしかしたら中村の芝居が思ったよりも長く見られるかもしれない。

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