今年のダート戦線を占う大事なレース、G2東海ステークス(中京競馬)に、インティとともに参戦。コースレコードとなる1分49秒8というタイムで、鮮やかな逃げ切り勝ちを収めることができました。

 新星誕生か!? レース前の新聞には、そんな見出しが躍っていましたが、まったく不安がなかったわけではありません。インティはもともと体が弱く、デビューは3歳4か月とやや遅め。2戦目で勝ち上がり、続く500万下を圧勝。ところが、さあ、これからというときに、脚部不安で1年近く休養を余儀なくされてしまいました。

 僕がコンビを組んだのは昨年7月の復帰戦からで、彼にとっては4戦目です。そのときに抱いた感想は、粗削りだけど、とにかく強いというものでした。その言葉を裏づけるように、続く5戦目、3歳上1000万下では10馬身差の圧勝。前走、1600万下の観月橋Sでも後続に5馬身の差をつける快勝で、スターの誕生を期待する周りの声は膨らむ一方でした。

 でも、しかしです。5歳馬とはいってもキャリアはまだ6戦。左回りのコース経験は一度だけだし、競りかけられるとムキになるという気性的な問題も残ったままです。加えて、インティにとっては、これが重賞初挑戦。メンバーも違えば、レースの流れも、これまでとは比較にならないほど厳しくなります。

 レース当日は単勝1.5倍の圧倒的な1番人気に推されましたが、僕の中では、ここでも、やれるはず。そんな期待と、重賞は甘くない。という一抹の不安……ゲートに入った後も、2つの思いが背中合わせになっていました。

 実際、スタート直後、並びかけられたときに一瞬、力んでムキになったし、ゴール前では後続に詰められましたから、僕の心配もまったくの杞憂というわけではありませんでした。それでも、最後までスピードは鈍らなかったし、これだけの勝ち方ができるんですから、インティの強さは本物です。ほんと、大した馬です。

 順調なら、この後は、優先出走権を得たG1フェブラリーステークスへ。ここでも、重賞で厳しいレースを経験し尽くしてきたライバルたちの胸を借りる立場ですが、一戦ごとに良くなっている彼には、まだ伸びしろがあります。デビューから33年連続重賞制覇の次は、昨年、届かなかったG1奪取へ、期待は膨らむばかりです。

 睦月から如月へ。暦が進んでも、勝ちたいという強い思いは変わりません。2月2日は、期待の外国産馬タイミングナウとのコンビで、3歳500万下のダート1200メートル戦、ごぎょう賞に出走します。気性の難しさはありますが、持っているスピードはなかなかのもの。インティ同様、中京競馬場のファンを熱くさせたいと思っています。レース当日は、東京、京都との3場開催になりますが、皆さん、ぜひ中京にも足を運んでください。

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