神木隆之介
神木隆之介

 1月27日放送の大河ドラマいだてん〜オリムピック噺〜』(NHK)の第4話が、反響を呼んでいるようだ。若者に人気の宮藤官九郎(48)が脚本を務め、いつものような時代劇ではないことから本作はたびたび話題になっているが、はたして第4話では何が起こったのだろうか?

 周囲に遅れをとったものの、金栗四三(中村勘九郎/37)は小さい頃から培った脚力で、校内徒競走で3等を獲得。ついに憧れの嘉納治五郎(役所広司/63)と言葉を交わす。しかし美川秀信(勝地涼/32)は舎監の永井道明(杉本哲太/53)と対立して劣等生の烙印を押され、自堕落な生活に。一方、四三は徒歩部(陸上部)に入り、野口源三郎(永山絢斗/29)らと出会い、足袋屋である播磨屋の門を叩く。そこで四三は店主の黒坂(ピエール瀧/51)から渡された足袋に感動し、オリンピックの予選会開催に向けて努力を重ねる。しかしその裏では、加納も予選会に向けて借金をするなど苦労を重ねていた……。

 この第4話は驚きの内容だった。第1話から嘉納治五郎の目線で描いてきた「オリンピック予選会までの道のり」が、今度は四三の視点で細かく描かれたのだ。このトリッキーな展開こそ脚本家、宮藤官九郎の真骨頂。時系列通りに話を進めず、多方面からストーリーを紡ぐという手法は宮藤の得意とするところだ。これまでも代表作のドラマ『木更津キャッツアイ』(TBS系)などで使われてきたが、大河ドラマでクドカンのカラーが出ていることが単純にうれしい。こういったカラクリにはぜひ今後も期待したいものだが、宮藤はこれまでもさまざまなテクニックを使って視聴者を魅了してきた。

 その一つが伏線。たくさん伏線を張って、後でそれを回収するというテクニックだ。たとえば連続テレビ小説あまちゃん』(同局)では、ヒロインであるアキ(のん/25)の母、春子(小泉今日子/52)が過去にアイドルを目指していたというサイドストーリーがあった。序盤こそ小さな伏線だったが、これが後で物語全体を動かすに至ったのだ。

 そんな伏線のマジシャン、クドカンは『いだてん』でもちょこちょことその技を使っているようだ。とくに第4話で大きな伏線が披露されたことを、皆さんお気づきだっただろうか?

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