■いろいろあってもいつものキムタク
で、この作品の中で、木村拓哉は、「ミスター月9」と呼ばれていた1990~2000年代に、自ら演じていた「キムタク」を再演しています。2016年のSMAP解散騒動や、その後のキムタクバッシングなどなかったかのような、見事なタイムスリップです。
惜しむらくは、キムタクがちょっとずつ老けてしまっていることです。20代後半で演じた、反骨精神と正義感にあふれる型破りな熱血漢はカッコよかったのですが、45歳にもなってまったく同じキャラクターだと、どうしてもバカに見えてしまします。視聴者もキムタクといっしょに年を取ってるわけですからね。
とはいえ、「フジの月9」は、最近はあまり振るわないにしても、かつて多くの人が楽しんだだけあって、この映画も決して楽しめないわけではありません。キムタクは(老けたけど)的確な演技をしているし、長澤まさみも可愛いです。謎解きの要素はちょっと雑でしたが、演出のテンポも悪くありません。
たぶん、かつて『ロンバケ』を観るために早く帰っていたお母さんが、娘さんといっしょに観ると、特に楽しめるんじゃないでしょうか。
オススメ度★★★☆☆
イケメン度★★★☆☆