■外科手術も人工知能を使う時代

「腹腔鏡手術とは、手術部位に小さな穴を空けてカメラ(腹腔鏡)を入れ、執刀医がモニターを見ながら鉗し子を入れて行う手術。近年は“ダヴィンチ”という手術支援ロボットを使い、4本のロボットアームを遠隔操作して行う手術が浸透してきました。“ダヴィンチ”の新型は1台3億円。外科手術も人工知能を使う時代に入っています」(最新医療に詳しい外科医師)

 先の2例は、まさにこの腹腔鏡での手術ミスだった。「軽自動車しか運転できない人に、いきなりF1マシーンや、戦闘機を操縦させても無理というもの。開腹手術と比べて術後の痛みも少なく、傷も残りにくいんですが、腹腔鏡の操作は、かなり難しい。カメラには死角があるし、手に伝わる感触も少ない。手術中に想定外の出血が起きても対処がしにくいんです」(前同)

 胃がん、大腸がん、泌尿器がんなどは、この手術方法も普及してきたが、「やはり、肝胆膵(肝臓、胆のう、膵臓)手術は、開腹したとしても難しい手術です。それを腹腔鏡で済ませるといっても、あまり賛成しませんね」と、『名医を疑え!良い医者、悪い医者の見分け方』(双葉社)著者の近藤誠医師は明かしている。

 それでも手術をやるという“モンスター医師”が世にはいるらしい。

「多少の死亡例があっても、最新医療の実績を残したいという、功名心旺盛な医師も世間にはいます。大学病院などでは医師同士が実績を競う傾向があります。死亡例が続いても学内カンファレンス(協議会)にも取り上げられず、上司は無関心。騒ぎにならない限り、同じ学内の同僚医師も余計な詮索はしないという空気が蔓延している病院もあります」(全国紙社会部記者)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4