「ボートレースアンバサダー」植木通彦氏
「ボートレースアンバサダー」植木通彦氏

 ボートレース界のレジェンド、“艇王”と謳われた植木通彦氏。現在は「ボートレースアンバサダー」として、各レース場のイベントやテレビなどのさまざまなメディアで活躍している。今回は、そんな植木氏に突撃インタビュー!

――生涯獲得賞金22億円以上を稼ぎ出した伝説のボートレーサーを前に、私はかなり緊張。しかし、実際お会いしてみると、物腰がとても柔らかい。実は、テレビなどでも見せる紳士的でダンディな雰囲気は、世の女性たちにも人気を博している。

 いざインタビューがはじまり、いろいろな話をお聞きしていると、植木氏に驚愕の事実が! それは、趣味について尋ねたときのことだ。

■釣り船に乗っていると船酔い!?

植木通彦氏(以下、植木)「趣味ってあまりないんですよね。釣りのために船を買ったりもしたんですけど……。それに、釣り船に乗ると船酔いしてしまうんですよ。船頭さんにも“冗談でしょ、植木さん”なんていわれたりして(苦笑)」

――なんと、水上で数々の激走をくり広げてきたボートレースのレジェンドが、船酔いするというのだ。

 そんな衝撃的事実も判明しつつ、インタビューが進んでいく中、私が今回、特に知りたかったのはモーターについて。ボートレースをはじめたばかりという人もベテランファンも、これが分かればボートレースの面白さは倍増するだろう。レーサーたちはいったい、どのような整備をしているのだろうか?

植木「ボートレースで重要なのは、いわゆる“3S(旋回、スタート、整備)”。その中で、整備はある程度経験が必要となります。分解したり、プロペラを叩いたり…。デビュー後、10年くらいたつと整備の重要性が身に染みてくる頃です」

――なるほど。私は舟券予想の際、月並みながらモーターの2連対率を参考にしている。

■前検や展示航走タイムも参考に

植木「モーターの成績については、勝率、2連対率、3連対率などが公表されています。最近の3節間の成績も含めて、やはりこれらの数字も大切ですよね。ただ、モーターは抽選で割り振られるわけですが、自分に合うか合わないかというのがあります。A選手が乗って良くても、B選手が乗ったらイマイチだったりします。そのため、モーターの仕上がり具合や選手にしっくりきているかどうかは、前検(前日検査)のタイム、それからレース本番直前の展示航走タイムも参考になりますね」

――ちなみにたとえば、先日行われたボートレース鳴門G1の開催4日目第8R。菅章哉選手のモーター19号機の2連対率は31.58%とあまり良い数字ではなかった。しかし、前検は6.77という4番目のタイム、展示タイムは6.89の1番時計だった。するとレース本番では、うまく差し切って勝利し、324=176.7倍! 私は下記の通り、万舟券をいただいてガッツポーズであった。

■グランプリやクイーンズクライマックス出場選手に注目!

 また、モーター整備が上手なレーサーに注目したい場合、オススメのレーサーはいるのだろうか?

植木「毎年、SG(スペシャルグレード)グランプリに出ているような選手はモーター整備もうまいと思います。女子なら、プレミアムG1クイーンズクライマックスの出場者ですね」

――確かに、予想に迷ったら、グランプリやクイーンズクライマックス出場者に焦点を当てれば分かりやすい。

 植木氏の言葉にはやはり、説得力がある。私も含め、ボートレース初心者もベテランも、植木氏に教わったことを胸にボートレースを観戦すれば、より面白く楽めるだろう。

うえき・みちひこ 1968年生まれ、福岡県出身。ボートレースの世界で、“艇王”と謳われたレジェンド。公営競技史上初の年間獲得賞金2億円を手にし、生涯獲得賞金22億円を突破するなど活躍。引退後は“ボートレーサー養成所(旧やまと学校)”所長として後進の育成にあたった後、要職を経てボートレースアンバサダーに就任。

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