■ジャイアンツの名将が上位に

 現役監督の中で最上位となったのは、今季巨人の指揮官に復帰した原辰徳監督で、第9位とトップ10入り。「原監督は、第二次長嶋政権で英才教育を受けた球団きっての名監督。今季、低迷する巨人再建を託されたのも、球団内外の高い評価ゆえです」(元巨人番記者)

 現役時代には“若大将”と呼ばれていた原監督だが、監督としての彼は、そんな爽やかなイメージとはほど遠いという。「勝つためには手段を選ばない、まさに“勝負師”。なりふり構わぬ大型補強はミスター以上だし、選手起用も完全実力主義。勝利への非情さは、ミスターも一目置くほど」(前同)

 原監督が、2度の3連覇を含むリーグ優勝7回、日本一3回という圧倒的な結果を残せたのは、そんな勝利への執念があってこそだったようだ。「ミスターは、原監督に“巨人は常勝であるべき”という信念を叩き込んだ。彼は、それを忠実に実行しているんです」(同) 現役最高位の名将がドン底の巨人を、どう復活させるのか、注目だ。

 そんな原監督の上には、巨人軍の先輩スターが名を連ねた。第7位の王貞治監督は、巨人で5年指揮を執った後、福岡ダイエーの監督に就任。「まだ新興球団だったダイエーを、連覇できるまでの強いチームに育て上げました」(ベテラン記者)

 巨人では優勝1回で解任。ダイエー監督就任直後も、乏しい戦力で、なかなか結果が出ず、ファンから生卵をぶつけられたことも。「王さんは、最初からいい監督じゃなかった。勝ちを重ねて、だんだん“名将”になっていったんだよ」

 こう語るのは、王ダイエーで助監督を務めた野球評論家の黒江透修氏だ。「実は王さんは、すごい激情家。ダイエー就任当初は、選手がふがいないプレーをすると、“なんで、こんなことができないんだ!”と怒って机を叩いたりしていた。でも、その後、王さんは変わった。選手を信じて、我慢するようになっていったんだ」(前同)

 王氏が辛抱強く、選手を指導していくと、チームには徐々に勝ち星が増え始める。そして、就任5年目に日本一を達成。そこから、現在のソフトバンクへとつながる“常勝軍団”の土台を作っていったのだ。「王監督といえば、WBCでの采配も忘れちゃいけませんよ。あれだけプレッシャーのかかる舞台で、イチローをはじめとした超一流の選手たちをまとめ、優勝という最高の結果を出したんですからね」(スポーツライター)

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