ナゴヤドーム
ナゴヤドーム

 プロ野球界において、シーズンの戦いぶりを左右する春季キャンプも終盤。1軍入りを目指す選手たちがしのぎを削る試練の場だけに、取材合戦が繰り広げられる。今回のキャンプで一番注目を浴びたのは、中日ドラゴンズだ。

「2013年から18年まで6季連続Bクラスに甘んじていた中日ですが、昨季は入団した松坂大輔が6勝を挙げて復活。また、夏の甲子園を沸かせたスーパールーキー・根尾昂(18)見たさに、多数のマスコミ、ファンがキャンプ地の沖縄を訪れました。これには球団上層部もニンマリ。4球団競合の中から根尾を引き当てた与田剛新監督への期待も高いようです」(スポーツ紙記者)

 新旧甲子園のスターがそろう中日。だが、事件はファンサービス中に起きた。

「2月上旬、松坂はファンとハイタッチ中に、右腕を引っ張られるというアクシデントに遭遇したんです。そして、12日、現地の病院で右肩に炎症を起こしているという診断を受け、キャンプを離脱。開幕1軍は、絶望的な状況となってしまいました」(中日担当記者)

 メジャーから日本球界に復帰するも、ソフトバンクでの3年間は肩のケガで1試合登板のみ。投手として引退してもおかしくない39歳の松坂にとって、たび重なる肩の負傷は致命傷になりかねない。そんな松坂について、大リーグ評論家の福島良一氏は、こう解説する。

「球団発表によると、松坂大輔はグリーンカード(永住権)の取得手続きのために、5日に日本をいったん離れ、米国に戻っています。グリーンカード取得は、早ければ今シーズン終了後、遅くとも数年後にはやってくる、自らの現役引退を見据えてのことだと思います」

 松坂の行動は家族を思ってのことだという。

「多くのメジャー選手がそうするように、松坂は引退後、家族との時間を大切にする暮らしを始めることになるでしょう。おそらく、奥さんと3人の子どもたちと一緒に、アメリカに住むことになると思います」(前同)

 また、グリーンカードを取得すれば、アメリカでの仕事も自由に得られるようになる。

「所属していたレッドソックスから、なんらかの役職をもらって仕事をする方法や、松井秀喜のように球団の特別インストラクターに関わる仕事などに携わる可能性がありますね。ただ、6年で1億ドル以上の年俸を受け取りながら、活躍したのは最初の2年だけというのがネックとなりそうです」(同)

 暗雲が立ち込める今シーズン。はたして、“平成の怪物”は平成最後のペナントを有終の美で飾り、「メジャーでの第二の人生」で“リベンジ”なるか⁉

 現在発売中の『週刊大衆』3月11日号では、この他に「長嶋茂雄張本勲の43年」などの野球特集を掲載している。

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