安藤サクラ
安藤サクラ

 連続テレビ小説まんぷく』(NHK)も、あと少しで最終回を迎える。放送開始当初はヒロインが売れっ子女優の安藤サクラ(33)で、なおかつ初の“ママヒロイン”となったことなどが異例だとして、話題になっていた。しかし半年間の放送を振り返ると、本作は“典型的な朝ドラ”であり、それこそがヒットの要因だったと思える。今回はこのドラマが典型的だった理由を、3月16日の内容を振り返って考えてみよう。

 萬平(長谷川博己/42)たちはフリーズドライ製法を導入し、まんぷくヌードルづくりも佳境。福子(安藤サクラ)や鈴(松坂慶子/66)を巻き込んで容器の開発が行われていた。そんな中、幸(小川紗良/22)が失恋していたことが分かり、福子はこれを優しく励ますのだった。

『まんぷく』はズバリ2つのポイントで、典型的かつ見やすい朝ドラだった。この放送回は、そのことが非常に分かりやすい回だったように思う。

 まず最初の理由は、毎回、土曜日に見せ場が設けられていたということ。週6日の放送で土曜が週の終わり、という朝ドラ独特の仕組みをうまく利用することで、『まんぷく』は見やすいドラマであり続けた。第139話では長く引っ張ってきた幸の恋愛問題が、失恋というかたちではあれ、一応決着。まんぷくヌードルも完成に近づいた。そう、土曜日だけ見ておけば、その週の放送がなんとなく分かってしまうように作られていたのだ。

 世良(桐谷健太/39)が塩を闇業者に売って売上をごまかしたときも、一件落着したのは土曜日(第42話)。まんぷくラーメンを作るのに四苦八苦していたときも、土曜(第115話)に完成と、とにかく土曜日に話が落ち着くのが『まんぷく』の特徴だった。過去には土曜日以外に急展開を持ってくる朝ドラも見受けられたが、1週間単位でドラマを作ってくれると、見やすいドラマになるということを痛感した。

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