■四天王に勝るとも劣らない岩本大地

 前述の四天王に勝るとも劣らない実力を持っていると評されるのが、21世紀枠で出場する石岡一(茨城)の岩本大地投手だ。身長175センチとそれほど上背はないが、ガッチリした体つきから放たれる最速147キロの速球と、スライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリットを組み合わせて打者を翻弄する。「ポテンシャル的には、これ以上の上積みはないかもしれませんが、持てる力を最大限に生かし切っていると思います。甲子園での活躍次第では、吉田輝星のようにブレイクするかもしれません」(持木編集長)

 捕手では、智弁和歌山の東妻純平が面白そうだ。実は東妻は、昨秋のドラフトでロッテに2位指名された東妻勇輔投手の実弟。「プロの世界で兄弟バッテリーを実現させたい」というのが夢だと、本人は口にしている。

「もともと内野手でしたが、肩が強いことから、プロ野球出身の中谷仁監督が捕手にコンバートさせたところ、あっという間に高校を代表する捕手に成長しました。ただ唯一の欠点は身長172センチと小柄なところ。現時点では、高校生捕手としての総合力では滋賀・近江の有馬諒にかないません」(スポーツ紙デスク) こうした評価を覆せるかどうかはセンバツでの活躍次第。総合評価はBといったところか。

■内野手では東邦の石川昂弥

 続いては内野手を見ていこう。東邦(愛知)の石川昂弥が、スカウトからマークされている。強肩強打の三塁手だが、投手としても活躍する二刀流の選手だ。「チーム事情で昨秋はマウンドに上りましたが、プロのスカウトたちは、完全に野手として見ています」(持木編集長)

 高校通算39本塁打を叩き出した長打力はダテじゃない。振り切るスイングが特徴だが、広角に長打が打てるのが魅力。投手としてラクに149キロを投げられる肩の良さは、三塁手としても大きな武器だ。内野手としてはA級といえるだろう。

 長打力では桐蔭学園(神奈川)の森敬斗遊撃手も魅力だ。「昨秋の関東大会でサヨナラ満塁弾を含む3本塁打を放ったことで、チームのセンバツ出場が決まりました」(高校野球担当記者)

 しかし、チーム事情に不安要素があるという。「桐蔭学園から直接プロに入った選手は近年、ほとんどいません。プロの道を選ぶかどうかは本人次第でしょう」(持木編集長) 前例を破ってプロ入りなるか。その活躍に期待したい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4