「NG味噌汁」はコレ! 簡単に作れる「健康味噌汁」の秘訣!
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 日本人のソウルフードとも言うべき味噌汁が、食の欧米化に押されて家庭の食卓から遠ざかりつつある。ところが、逆に輸出は右肩上がりに伸びているという。

「近年の和食ブームの後押しもあり、アメリカや中国を中心に、長寿国ニッポンの優れた健康食材として人気なんです。味噌の健康効果が、国内外の研究者によって明らかになったことも大きいんでしょうね」

 こう説明するのは『正しい塩分の摂り方味噌の力で医者いらず』などの著書がある、女子栄養大学の五明紀春・栄養学部教授(同大副学長)。味噌の効用は、がんや糖尿病、認知症、老化防止などさまざまあるが、なぜ、大豆と穀類(米や麦)と塩など、ありふれた素材の味噌が万能薬として作用するのか。秘密は豆や穀類を発酵させる麹菌にある。

 麹は発酵の過程で大豆や穀類の炭水化物をより小さなブドウ糖へ、タンパク質をアミノ酸へと変える。これで消化吸収もグンと良くなる。さらに、麹は発酵の過程で大豆にはないアミノ酸やビタミン類も生成する。疲労回復に欠かせないビタミンB系や、前立腺がんや肺がんを抑える効果がある大豆イソフラボンも増える。

 もう一つ。味噌は発酵するとき、アミノ酸や糖類が複雑に絡み合った色素成分(メラノイジン)ができる。

「コーヒーは豆を焙煎すると茶褐色になりますが、味噌の色素も原理はこれと同じで、麹菌による発酵で茶褐色になります。この色素成分が味噌の香ばしい香りや味にもなるんですが、健康にとっても大きなプラス成分なんです」(前同)

 メラノイジンには強い抗酸化作用がある。これにより細胞の“サビつき(酸化=老化)”が抑えられる。肌の色つやなどの外見も若々しくなり、血管の動脈硬化も抑えられ、心筋梗塞や脳卒中のリスクが減る。

 また、脳血管のサビを抑えることで認知症の予防にもなる。ボケにくいうえ、脳の機能も良くなるのだ。また、メラノイジンには糖尿病の予防効果もある。

「私の動物実験ではメラノイジンが糖分の消化吸収速度を遅くし、食後高血糖を抑える働きがあることが分かりました」(同)

 がんについては、国立がんセンター研究所の大規模な疫学調査で、抑制効果があることが報告されている。味噌汁を飲む頻度が高い人ほど胃がんになる率が低く、特に男性の場合、味噌汁をまったく飲まない人は、毎日飲んでいる人より死亡率が48%も高くなっていたという。

 また、動物実験では、肺がん、乳がん、肝臓がん、大腸がんの抑制効果が認められている。一つ心配なのは、味噌汁の塩分で血圧が高くなることだ。だが、これも食品総合研究所の研究者が「味噌には高血圧を防止する成分がある」と報告している。

 味噌汁の塩分は意外に少なく、1杯(150cc)で、せいぜい1.2~1.5グラム。カップ麺の5~6グラムと比べても低い。加えて、味噌汁の具材には野菜が多いのだが、野菜のカリウムが塩分(ナトリウム)を排泄してくれるのだ。

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