とんでん&藍屋も「しゃぶしゃぶ食べ放題」実験店を展開中!の画像
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 和食ファミビッグ3の動向を見守りつつ、それらを凌駕するハイスペックなしゃぶ放の実験店を出したのが、とんでんと藍屋だ。とんでんが「しゃぶしゃぶと鮨 とんでん」という別名義で、埼玉の岩槻と戸田にしか展開せず、藍屋も武蔵小杉、宇都宮今泉、諏訪店だけの店舗限定。どちらもすごくレアなのだが、すでにすっかり“しゃぶ中”となった身となれば、こちらも試してみなければなるまい。

 まず藍屋だが、サイトを見る限り、肉自体はしゃぶ葉や夢庵と変わらない三元豚メイン。厳選牛コース(豚のみより600円高い2580円)の牛肉のブランドも明示されていない。が、それぞれ非常に旨いのだ。出汁も昆布以外の3種が選べるだけだが、鶏白湯の風味が深く、タレも他店よりワンランク上なのは舐めてすぐ分かる。

 プレミアムの天ぷらも舞茸、白神あわび茸と具材も粒選りだし、揚げの具合も上々。海老も鱚もてんや程度のクオリティには達していた。蛸の唐揚げに季節のカキフライと、揚げ物で固めてしまったが、どれもペロリといただけた。季節の小鉢も小まぐろ丼も、お新香盛り合わせも間違いない。飲み放題も1550円するが、瓶ビールはクラシックラガー、ウィスキーはオールドと大人感が漂う。3日前までに予約すれば、それも半額になるので、プライベートでもぜひ出かけようと思う次第だ。

 しゃぶ鮨とんでんがまた素晴らしい。一昨年から既存のとんでんを模様替えしたのだが、しゃぶ放の肉に栃木のさくら市産「桜山豚」を使用しているのが売り。ロース・肩ロース・バラの豚3種と鮨5種に豊富な一品が食べ放題、それに国産牛が一皿付くスタンダードコース(2980円)をチョイスしたが、牛分控えめでも存分にエンジョイできた。

 なぜなら、日本に100頭ほどしかいない幻の豚「梅山豚」と、英国で品種改良された「ケンボロー種」を掛け合わせた桜山豚の柔らかい肉質と芳ばしさ、脂の甘みがしゃぶしゃぶにうってつけだから。よくとんかつなどに用いられる品種だが、これならいくらでもいける!と大感激でパクついた。

 一品料理は想定を上回りはしないが、箸休めにこれくらいあればよし、というレベル。恐る恐る寿司も頼んだが、シャリも小ぶりで、ネタも新鮮な上物。特にマグロとイカは高級回転寿司並みだった。したがって、次回は自分へのご褒美に、本マグロの赤身・中トロ・大トロを含む、21種の寿司食べ放題設定のプレミアムにしよう。そう心に固く誓ったのだった。

 本部関係筋から匿名で聞いた話によると、「寿司食べ放題狙いの客がいまではほとんど。リピーターは確実にそちら」とのこと。1969年に和菓子屋として創業したとんでんも和食レストランに転換する前、70年代前半は寿司屋で、海鮮フェアをよくやるのも自信の現れだ。肉もチルドにこだわってあれこれ吟味し、辿り着いたのが梅山豚らしい。ぶっちゃけを言えば、プレミアムは出血大サービスということだが、この実験精神が全店に行き渡れば、この熾烈なしゃぶレースの勝者は同社で間違いなかろう。

※この記事は、雑誌「EX大衆」2019年3月号を元に作成しました。

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