■鉄道マニアにも大人気!

望月「はい。たとえば、鹿児島県の嘉例川駅で、週末のみ限定発売される『百年の旅物語の旅物語 かれい川』なんかは、この駅弁を目当てに朝から行列ができるんです」

ゆま「ええ!? 仕事で、よく鹿児島まで行きますよ」

望月「それならぜひ、週末の朝、嘉例川駅に行ってみてください。鹿児島空港の最寄りの駅なんです。実際、空港からタクシーで駅弁を買いに行く観光客もいるんです」

ゆま「駅弁マニアの間では有名なんですね」

望月「はい。ちなみに嘉例川駅は“無人駅”なんですね。この駅は1903年に開業した当初からある築100年以上の木造駅舎で、今では国の登録有形文化財にもなっています」

ゆま「ステキ。行ってみたいです。でも、どうして無人駅なのに駅弁を売り始めたんですか?」

望月「2004年に特急『はやとの風』が運行を開始したんです。これはレトロな車内で桜島も一望できる列車として、鉄道マニアはもちろん、海外からの観光客にも人気だったんです。その『はやとの風』の停車駅に嘉例川駅も含まれていたので、駅弁販売を開始したんです」

ゆま「それで評判になったんですね!」

望月「はい。“九州駅弁グランプリ”で3連覇を成し遂げています」

ゆま「無人駅が駅弁効果で、一気に有名になった典型的なケースなんですね」

望月「駅弁で全国的に広まることは、けっこうあるんです。仙台の『牛たん弁当』なんかも、いい例ですね」

ゆま「知っています! 紐を引っ張ると温かくなる駅弁ですよね。画期的でビックリしました」

望月「実は、加熱式の駅弁は1987年に生まれたので、30年前からあるんです」

ゆま「そうなの!?」

望月「はい。意外と歴史が長いです。あの発明のおかげで牛たんが駅弁でも食べられるようになったんです。それと同時に、仙台といえば牛たんというイメージが、全国的になったんです」

ゆま「もっと地方の駅弁を教えてください。あと、おいしい駅弁の見分け方とかも聞きたいです!」(次号につづく)

望月崇史 1975年12月8日、静岡県生まれ。早稲田大学に在学していたときから『ニッポン放送』で放送作家になる。そのかたわら駅弁を食べ続け、食べた数は4500個。サイト『ライター望月の駅弁膝栗毛』(http://www.1242.com/lf/articles/news_special/ekiben/)で、日々食べている駅弁を紹介している。

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