■横浜DeNaの筒香嘉智はメジャーリーグ挑戦の前に

 “今季にかける”という意味では、横浜DeNAのスラッガー・筒香嘉智も、見逃せない選手だ。「筒香は、昨年の契約更改時、球団にメジャー挑戦の意思を伝えています。早ければ今オフにでも、ポスティングでの米移籍がありえます」(球団関係者)

 つまり、今季が日本球界での“ラストイヤー”となる可能性があるのだ。しかも、昨年の筒香は38本塁打をマークしたものの、無冠。特にチャンスで打てず、不本意なシーズンを送っている。それだけに今年は相当な覚悟を持って、シーズンに臨むことが予想される。「筒香ならば3割40本100打点はクリアしてほしいところ。そうすればタイトル争いはもちろん、チームの上位進出も見えてくる。筒香も胸を張ってメジャー挑戦できるはず」(前同)

 前出の里崎氏も、今季の筒香に期待を寄せる。「メジャー挑戦という目標は、筒香の奮起の材料になるでしょう。今季は確実に、タイトル争いに絡む活躍を見せてくれると思います」

 筒香といえば、今や侍ジャパン不動の4番打者だが、最近、その後継候補として名乗りを上げた選手がいる。オリックスの若き長距離砲・吉田正尚だ。吉田は、3月に行われたメキシコ代表との強化試合で、侍ジャパンに初招集。若手中心のメンバー構成ながら、第2戦では4番を任された。「吉田は4番の初打席で、いきなり満塁アーチを放つなど、2戦で5打数4安打6打点の大活躍。メキシコ代表の監督も、“メジャーが欲しがるんじゃないか?”とベタ褒めでした」(スポーツライター)

 ド派手な日本代表デビューを飾った吉田は、実はまだプロ入り4年目。身長173センチとけっして大柄ではないが、「大学時代からパンチ力に定評があった逸材」(スカウト関係者)で、2015年ドラフト1位でオリックス入り。昨季は自身初となるフル出場を果たし、3割、26本塁打、86打点を記録してブレイク。今年は、さらなる飛躍が期待されている。「吉田は、昨シーズンをケガなく過ごせたことが、大きな自信となったのではないでしょうか。ポテンシャルは非常に高いですから、並みいる強打者を押しのけて、今年はタイトルを獲得する可能性が十分にありますよ」(里崎氏)

 パ・リーグには、ソフトバンクの柳田悠岐、西武の山川穂高、楽天の浅村栄斗など、名だたるパワーヒッターがズラリ。ここに吉田が加わることで、タイトル争いは、さらに面白いものになるだろう。「筒香のメジャー志望もありますし、今後の活躍次第では、吉田が東京五輪で日本代表チームの4番に座る可能性だってある。今季のパ・リーグのバットマンレースは、“侍4番争い”とも言えますね」(前出のスポーツライター)

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