■きれいごとだけでは生きていけない

――本作が、妙な清潔感にまみれた世間に、一石を投じる映画であることを期待しています。

白石 各作品での瀧さん降板報道前後に、「(もし出演し続けた際)子どもに、どう説明するのか」という声が上がっていましたが、じゃあ、なかったことにしてフタをして、「世の中がきれいになりました」という世界で子どもを育てていいのかと思うわけです。

 世の中は不条理で、悪意を持った人もいて、人とぶつかって、挫折も失敗もつきもの。きれいごとだけでは生きていけませんからね。

――阿佐田哲也×白石和彌の強力タッグによる映画『麻雀放浪記2020』。この映画を観た人は既成概念をひっくり返されることは必至。これは劇場で観るしかない!

しらいし・かずや 1974年12月17日生まれ。95年に中村幻児監督主催の映像塾に参加。10年に『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で長編監督デビュー。13年の『凶悪』は、日本アカデミー賞優秀作品賞、脚本賞など各映画賞を席巻。17年に『彼女がその名を知らない鳥たち』でブルーリボン賞監督賞に輝くと、18年にも『孤狼の血』などで同賞を受賞。

あわせて読む:
・ピエール瀧、公開決定『麻雀放浪記2020』で見せていた“黒い怪演”!
・『麻雀放浪記2020』映画関係者が知るベッキーの“猛特訓”秘話
・逮捕・ピエール瀧と超メジャー芸能人&大物芸人への「麻薬ルート」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4