イチロー選手引退のニュースが世界を駆け巡ったその週末、メイショウテッコンをパートナーに挑んだG2日経賞を勝つことができました。勝因は、一にも二にも高橋義忠先生をはじめとする厩舎関係者の努力の賜物です。イレ込みが激しく、ゲートの中で暴れる癖があったメイショウテッコンに、つきっきりでトレーニングを課した効果が最高のカタチで実を結びました。まだ課題はありますが、日経賞のような競馬ができれば、この後の競馬にも十二分に期待が持てます。

 それはいいんですが、ちょっと面映ゆかったのが、翌日のスポーツ紙の見出しです。『武豊50歳重賞初V』 そうなるんだろうなとは思っていたので驚きはしませんでしたが、いざ、その文字を目にすると、苦笑いが浮かんできました。

――49歳と50歳では何が違うんだろう。僕自身は、なに一つ変わっていないつもりです。むしろ、ますます競馬が好きになっています。それなのに、50歳という数字だけを大きく扱われるのは……だいぶ慣れたつもりですが、せっかくなら、「僕はまだまだ伸び盛り。60歳になっても乗っていたいし、5000勝を目指します」というコメントのほうを大きく扱って欲しかったです(笑)。

――この勢いのままで。という気持ちで臨んだ翌日曜のメインレース・G1高松宮記念は、思うような結果を残すことができませんでした。敗因は一つ。いつものモズスーパーフレアではなかったことに尽きます。スタートのタイミングは良かったんですが、そこからのダッシュがなく、走りにも硬さがありました。今年に入っての2戦は、ともにハイラップを刻む激走での勝利だったことが影響していたような気がします。思い描いていた通りの競馬ができた翌日に、この結果です。競馬は、本当に難しいですね。

■いよいよ、G1桜花賞!

 とはいえ、立ち止まっている時間はありません。今週末には、春競馬本番、待ちに待ったクラシックレースがスタートします。その第1弾は、牝馬三冠への第一関門、桜花賞。1939年の第1回から数えて、今年が79回目となります。

 僕が初めて桜花賞を勝ったのは、89年第49回のシャダイカグラ。2度目が93年のベガ。3度目は94年のオグリローマン。4度目が98年のファレノプシス。5度目が04年のダンスインザムードでした。

 あれから15年……そろそろ6度目があってもいいよなと、一人、静かに燃えています。パートナーは、藤沢和雄厩舎のシェーングランツ。前走のチューリップ賞は、浮いたような走りで、トップスピードに入れないまま終わってしまいましたが、この時期の3歳牝馬は、わずかな間に、驚くほど変わることがよくあります。

『武豊50歳G1初勝利』 スポーツ紙に、そう書いてもらえるように今週も全力で挑みます。ぜひ、競馬場に足を運んでください。

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