■天海祐希vs女性犯人はいつも神回!
実は『緊急取調室』は女性が犯人の回が、俄然面白い。というのも、天海祐希は女性と対峙するほうが色気を増すからだ。キントリメンバーと推理をしているときは、年上の兄たちに囲まれ喜々としてヤンチャする末っ子というムードだが、女性の犯人との取り調べシーンでは迷ったりとまどったりすることで、場を持て余すような“揺らぎ”が見える。これがたまらない。宝塚の男役トップの経験からなのか、対峙する女性を引き立たせる“受け”も抜群にうまいのだ。
特に第1シーズンで安達祐実(37)が出演した回、『嘘まみれの女』。目に殺気を宿す小柄な安達との、ヒリヒリとした駆け引きに勝利した後、天海が崩れ落ちた彼女を包み込むようなシーン。そして第2シーズンの第1話『傘をさす女』での、三田佳子(77)の生々しい供述に押され、とまどう演技は、何度もくり返し見たくなる名場面である。
そして、第3シーズンの第1話のゲストは浅野温子(58)だ。エキセントリックな演技に定評のある浅野と、天海がどう化学反応を起こすのか。しかも浅野は、警視庁刑事部参事官という設定である。初回にして、さっそく最高にスリリングな対決となりそうだ。(田中稲)